うたプリ短編

□ぬくもり
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今日は兄の命日。

兄のお墓を前に私は空を見上げた。
あんなに哀しかったのに、今は笑顔でいられる。
とても不思議だ。

もう涙も出ない。



「▲▲…」


頭上から私を呼ぶ声が聞こえ、階段上を見ると愛しい姿があった。

「藍くん…」

「遅いから迎えに来た」

「あ、…ごめん」

「いいよ。ボクが勝手に来ただけだから」


私が微笑むと藍くんは階段をゆっくり降りて私の元に来てふわりと抱きしめてくれた。

安心する…。

ヒトではないことは分かっているのにヒト以上に優しい温もりを感じる。


「藍くん……藍くんは居なくならないよね…」

「さあ…。確証の無いことに関しては返事が出来ないよ」

「そう…」

「でも…」

「でも?」

「たまにならこうやって抱き締めてあげてもいいよ」

「なにそれ…」


「好きでしょ、こうするの」


藍くんの胸で「いじわる…」と小声で呟いたら抱き締める力が強くなり鼻が潰れた。








end.....13.2.5up


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