美術館と薔薇
□Abnormality
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上に向かえば
また独特な絵が目に飛び込んでくる
窓の外は雲ひとつ無い晴天だ
逃げちゃったなぁ何て思いながら
気を取り直し、美術展に目を向ける
銀「な、なんだこれ…」
頭無いよこれ
ちょっとこれじゃ、パフェ食えないじゃん…←
その美術品には“無個性“と書れている
銀(成る程…分かんない!!)←
その先にも、“指定席“とかあったけど
俺には分かんないね!←
なんか座りにくそうだったし
背中痛いよ絶対
銀(やっぱ、芸術って難しいな)
何て思ってたら、いつのまにか大きな絵の前にたっていた
横に長い大きな絵
銀「…絵空事の世界…?」
どんなことが描かれていたか分からないけど
なぜかその絵に
引き込まれた
銀(…ん?)
その瞬間
BGMが止まり
電気が一瞬消えた
銀(…え)
なになになに
銀さん怖い←
いったんその絵の前から立ち去ってみる
銀「え…」
誰もいない
銀(そんな…)
見渡しても誰も見つからない
なぜだ?
さっきまで人がいたはず…
ふと、脳裏をよぎる
あいつらのこと
銀(神楽達…は?)
まさかと思って
一階へ
銀「嘘だろ…?」
一階のロビーにも人がなかった
銀「おいおい…どこいったんだよ…」
あの絵を横切って
絵が並ぶ道を曲がる
「ゴホッ」
銀(…!!)
静かな美術館に響く
“誰か“の咳のおと
振り返っても
誰もいない
銀(じゃあ…)
誰が咳をした?
銀(えぇー…もう銀さん怖い…)←
結局探し回っても
神楽達は居なかったし
誰も居なかった
なぜ、人がいなくなったのか
まず、
一瞬で人が居なくなるのか?
そんなことあり得ない
異常なまでに孤独感が押し寄せる
銀「っ…あ」
二階だ
二階はあまり探していないはず
銀「二階に…行くか」
二階に希望をかけて
二階へと向かっていった