絶対服従
□第4章
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あれから数日たった昼休み、再び僕は先輩に生徒会室に呼び出された。
洋平、悪いんだけど時間になったら起こしてね。先輩はそれだけ言うと、会長室のベッドで眠ってしまった。
最近、こういうことや細々とした仕事しか頼まれていないような気がする。
いや、他に望むことなんて何もないんだけど…
少し寂しく思いつつ、僕はいつも通り先輩が眠るベッドからローテーブルを挟んだ向かい側のソファーに腰掛けた。
前に先輩から聞いた話では、この部屋の冷蔵庫やベッド等の家具はすべて昔卒業した生徒会長が一人で揃えたものらしい。
その人は生徒会長になるとこの部屋が与えられるという権限そのものも作ったらしいけど、いったいどんな破天荒な人だったんだろう……
しばらくすると先輩の規則的な小さな寝息が聞こえてきた。
僕はケータイを見ていた手を止めて先輩の方を見る。
いつも僕とは逆の、壁側の方を向いて眠っているのに、今日は珍しく仰向けで眠っていた。
この状況は……
男ならほっとけない、よね、うん。
僕はできるだけ息をひそめて、音を立てないようにして先輩のそばにしゃがみこんだ。
先輩の寝顔は意外と子供っぽくて、もともと可愛らしい顔がさらに犯罪的に可愛くて、僕は思わず直視できずに一度顔をそらしてしまった。
きめ細やかな肌に、長い睫、柔らかそうな唇。
その顔にかかる前髪は色素が薄くサラサラとして、この間飲んだレモンティーを彷彿とさせた。
いつも思うけど、本当に綺麗な人だな……
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