未来夢叶

□0:幼き日の約束
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「ねぇ未来、雪って知ってる?」

それは、静かな夜。皆が深い眠りについたころ。

夜の暗闇を、月明かりが青白く照らす中、弟の叶は、双子の兄の未来に、そう尋ねた。

「ゆき? 何それ」

未来は尋ねられたものの意味がわからず、叶にそう尋ね返した。

「雪ってね、空から降ってくるものなんだって、白くて、冷たくて、ふわふわしてるんだって。今日本で読んだんだ」

ほのかな明かりの中、叶が微笑んだのが見えた。

「へぇ、そんなものがあるんだ。見てみたいなぁ…」

「ね、見てみたいよね! …でも、先生に聞いたら、もう雪は降らないって、きっともう見れないって言われちゃった…」

「そんなことないよ!」

未来は叶を見つめ、言った。

「きっと見れるよ! もう見れないなんて、そんなことないよ!」

「そう…かなぁ」

「うん、きっと!ゆきがもう絶対に降らないなんて、そんなこと誰にもわからないよ!」

未来の言葉に、叶は再び微笑んだ。

「そうだよね」

「そうだよ」

2人は顔を見合わせ、笑い合った。

「じゃあさ、未来」

「何?」

「約束しようよ」

叶はそう言って、未来に右手の小指を差し出した。

「いいよ」

未来はうなずいて、叶の小指に、自分の小指を結んだ。



「いつか2人で、見ようね。あの、真っ白な、雪を……」

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