未来夢叶
□3:カタハネ
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『ねぇ未来、僕たちは双子なんだよね。一卵性双生児っていう』
『そうだよ』
『それでね、今日、先生が教えてくれたんだ。一卵性双生児って、もともとはひとつの命だったのが、2つに分かれて生まれてきたものなんだって』
『ひとつの命が、2つに?』
『うん、だから、もしその命が2つにならなかったら、僕は未来で、未来は僕だったかもしれないんだって』
『へぇ、何か、不思議だね。じゃあ、ひとつだった命が2つに分かれて僕と叶になったんだから、僕らの命は、半分半分なんだね、2人でひとつなんだね』
『うん、そうだね』
『すごいね! でも、どうして僕たちは、2人になったのかな?』
『うーん、なんでだろう? わかんないや…。でも、僕は2人で生まれてこれて、よかったって思ってるよ』
『どうして?』
『だって、もし1人だったら、きっと、ずーっと独りぼっちになっちゃったかもでしょ? でも僕らは2人になったから、独りぼっちじゃない、未来がいてくれる。
だから、すごくうれしいんだ』
『そっか、そうだよね。もしも1人だったら、さみしくてさみしくて、たまんないもんね』
『うん』
『僕も、叶と生まれてこれて、すごくうれしい』
『うん! ――――ねぇ未来、僕らは2人でひとつだから、ずっと一緒だよね? 未来だけ、どこかに行っちゃったりしないよね?』
『あたりまえだろ! 叶こそ、僕をおいて、どこにも行ったりしない?』
『しないよ! 絶対! ずっと、ずっと一緒にいようね、未来』
『うん、ずっと2人でいようね、叶』
僕達は、2人でひとつだから―――――――――――――