図書館戦争・マクロスF

□予想外
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笠原郁が堂上郁となり、手塚光と共に『教官』として活躍している時のお話。

―――――――――――

一日の訓練も終わり、更衣室で手塚が着替えていると、ノックもなしに勢いよく扉が開き新人隊員が数人飛び込んできた。

「手塚教官〜!!助けて下さいっ!」
挨拶もなにもかもすっ飛ばし、手塚に泣きついてくる新人達。
「お前達、堂上教官のとこの?」

「自分達を手塚教官の班へ入れて下さい!!」

「女性教官が嫌だと言うのか?」
手塚の睨みに新人達はビクッとなる。
昔の郁ならまだしも今の郁は男性隊員にも負けない体力・技術・知識がある。新人にバカにされて良いわけがない。

「ちっ、違いますっ!初めは何で女なんかに指導されないといけないんだと思ったんですが、すぐにいろんな面で適わないことに気づきました!」
「ぢゃあ、何だ?」
指導力不足でないなら何が不満だというのか。
「………………………」
「笠原が何かしでかしたのか?」
黙ってしまった新人の言いたいことがさっぱり解らない手塚。軽く混乱しており旧姓でいってしまった。

「…しでかしたといいますか…自分達が勝手にしでかしてしまってるような気がします」
「だから何だ!?」
ますます解らないため、思わず口調がキツくなる。

「色気がすごいんですっ」
「…………は?」
残念ながら、ずっと一緒にいる手塚には郁の色気云々が理解できないでいた。
「訓練中は鬼だと思うくらい怖いんですが、ふとした時に微笑まれるだけで魂持っていかれたり」
「…持ってかれてんのかよ」
手塚のツッコミはスルーされ新人隊員達の独白(?)が始まる。
「スタイルが意外に良すぎるし」
「うなじ綺麗だし」
「良い香りが」
「生足が」
「年上なのに可愛いとこがあったり」
「ペナルティで残っていると最後まで付き合っていてくれて、その上ダメな点を指摘してくれて」
「…指摘するのは当たり前だろう。こっちは指導しているんだから…」
「そうかもしれませんが、きちんと努力した点は褒めてフォローしてくださるんです!その時の堂上教官は女神のようで、アレに惚れるなという方が酷なんです!」


必死に訴えてくる面々。お前達は中学生かっ!と、ツッコんでやりたかったが余りにも真剣な表情のため言う気が失せた。
「あー、結局はこのままだと、かさは…堂上教官に惚れてしまうから助けてくれと?」
『はいっ!』

―却下だ。と声にしようとした瞬間…新人隊員がさらに爆弾を投下した。
「すでに惚れてしまって告白した仲間もいるんです!!」


手塚は戦闘中かと錯覚するくらい身の危険を感じた。


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