《小説》総生徒会本部

□総生徒会本部〜入学式〜
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本日、聖桜学園は天気に恵まれ入学式日和となった。

入学式は各生徒会が中心となって行うが、総本メンバーはこの式に関しては出番がないため暇になる。
先日起きた中等部会長誘拐騒ぎも生徒達に気づかれることなく、処理し終わり、一部の総本メンバーはゆっくり過ごしていた。


「はづきぃ、お茶おかわり」
ソファーに身を沈め、おかわりを要求する総本の女会長。
栗色の髪をくるくる指で巻いて「きりたいなぁ」などと呟いている。

「せっかく伸ばしたんだから切ったらもったいないですよ」
お茶のおかわりをテーブルに置き、美紅の髪を一房掬いしキスを落とす葉月。
にこにこ……昨日から一段と笑顔が輝いてる……。
美紅はなんとなくだが、気まずくて話題を変えるためにデスクで作業をしている副会長に話しかける。
「たぁかぁまっ。何珍しく作業してるの?お茶でも飲めばぁ?」
「はぁ!?珍しくだと?誰のせいで仕事する羽目になったと思ってんだ!役立たずっ」
明るい髪もつ副会長は書類から目を離し、くつろいでる美紅を睨みつける。
…―あっ。私がケガで利き手が使えないからかぁ。と思っても素直に謝れない女会長。
「たっ、たまにはいいじゃない!そこまで言うなら、その調子で午後の会議もあんたが出なさいよ!!」
真っ向から言い合う二人。
「ふっざけんなっ。これ以上仕事増やすなよ!役立たずがっ。」


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