《小説》総生徒会本部

□総生徒会本部〜生徒総会〜
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泉秋智が総本寮に移ってそろそろ一ヶ月がたとうとしていた。

誰もいないキッチンに入り、慣れた手つきで朝食を作り始める。
米をとぎ、炊飯器にセットする。


一般生徒の寮には食堂があるが、ここはその寮からも離れているので自炊が当たり前となっていた。
基本的には当番制で総本メンバー全員が食事を作るが、朝に限っては固定になりつつあった。
きっかけは色々。
まず、葉月の寝起きの悪さ。(いつもの穏やかさは全くない)、美紅のマイブームで作るご飯。(キムチ鍋にハマったときは朝晩問わず毎回キムチ鍋になった)鷹真の麺好き。(好きと言うより楽から)などがあり、朝ご飯作りには不向きな人々な為、一番まともな朝食が作れる泉が担当することになった。


手を止めることなく料理をしている泉の耳に扉の開く音が聞こえた。
時計に目をやると、まだ他の同居人達が起きるにしては早い時間である。
「………?」
誰が起きてくるのかとガラスのはめ込まれた扉を見ると美紅が横切り、そして、玄関のドアが閉まる音……。


「あれ?」

美紅の行動に頭が着いていかない泉。
ひとまず、玄関へ行き外を確認するがすでに姿は見えない。


「何で…美紅先輩っ!?」
泉は玄関のドアを勢いよく閉め、二階へ駆け上がった。



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