POEM

□信仰遊戯
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錆びた鎖の群れに
朽ちていく十字架に
千切れた羽を貼り付けていく
白銀の剣に疲れた貴方を
純白の墓標の前で貪るわ
乾いた土の上で
飛び散るどす黒い貴方の言霊
苦い愛の血甘い死の囁きに
奪われた耳に生えた手は貴方の言葉を欲してる
白い手首が擦れ合うたびに感じる生命の荒い息を探して
世界が逆に回り始めたら
彼の背に生えたのが天使の羽に見えたのは太陽に夜の光が奪われる一夜だけ
明るい世界にできた影には闇の姿は浮き彫りになる
血の匂いがしみた唇は
いくら愛を唱えても全てを憎悪の波に流されてしまう
世界の夜明けに見たものは花びらを落としていくバラの花
したたる密を受け止めるのは穴の開いた骸骨
這い出してくる蒼い優しさは
憂いに触れて紅くなる
城の中を這い回る王家の魂のように
ヒビの入ったガラス瓶で奏でよ鎮魂歌
物語の序章を象る貴方の体躯に
少しずつ塗りつけていく哀れみの歌
上っていく朝日の背に隠れていく宝を追って
跪いて縋ればいい
ただ一握りの光を求めよ
淫魔のシルベに指を這わせて
淡く染まる紫煙の村へ
這いつくばって向かえばいい
お前の頭を踏みつける者があっても餓鬼の響かせる鐘の音に女神の微笑を見よ
閻魔が作り出す暗雲の下に降る雨が惠であるように
愚か過ぎた己を呪えよ
撓ったつるの音に身を震わせながら
十字架の下で嘆けばいい
全てが運命のせいだったと神を愚弄すればいい
髪を引き千切って胸をかきむしって
喉がかれるまで叫べばいい
悪魔の差し出した矛の先を主の導きと誤魔化して消えてしまえばいい

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