POEM

□海へ行こう
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お隣のネコもむかいのわんちゃんも
朝から自由に遊んでるのね
なのに君はどことなく思いつめてるかんじ
なんかあったの?って聞きたいけど
きっと君は答えてくれないの
君に寄り添って耳澄ましても心の声までは聞こえないの
寂しいよ
僕は君をわかりたいし抱き締めたいと思うのに
君は僕になんて抱かれたくないんだろう
僕がすっとそこを離れたとして
君は僕に「何時ごろ帰るの?」って
目も合わさずにお決まりの挨拶なんだ
言った所で待っているわけでもないくせにね
僕は何時も夕方ごろ帰るよって言うんだ
涙声のお決まりのお返事なんだ

思いやりなんてあるほうがいいに決まってるけど
あったからって役にたつのでしょうか
気にしすぎてもややこしいだけだよ
たまに優しくしあえたら それでいいのに

思い出なんてそんなのアルバムだけの世界さ
きっともう心にまでは残ってないんだ
思い出したくないことのほうが多いよ
未来を夢見れる今日があればそれでいいだろう

夕暮れ時ガードレールもオレンジ色
君と見た陽を思い出しちゃう
寄り添う二人をゆっくり黄昏色に染めていく
いっしょにいようね?の言葉だけ
僕の頭に渦巻いてる
ゆっくりながれる無駄な時間が一番幸せだったよね
帰ろうかな
おかえりっていう言葉がほしくてベルを鳴らしちゃう
君がいるわけでもないのに毎日どうしても
鍵を差し込む前にドアが開いた
君は僕に「遅かったじゃない」って
赤い目元で膨れ面なんだ
立ち尽くす僕に君はどうしたの?って
僕がずーっと言いたかった事
とぼけた顔して僕の腕に捕まるんだ

今更仲直りも無いだろうと 塞いでたのは僕のほうだったね
君はずっと 思いつめてたんだね
もしかしてずっと泣いてたのかい?
毎日出かける僕の後で蹲ってたのはそのせいなの?
君の涙が僕の前でこぼれたら次は何も言わず抱き締めるから
明日は「何時ごろかえるの?」って言わないでね
明日は「何時ごろでかけようか?」って笑顔で言いにきてね

久々に握るハンドルにきっと僕はオドオドする
だから君は助手席で嬉しげに笑ってね
ふわふわのワンピースが波のよう
今日は海へいこうか

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