POEM

□loveElegy
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打ち寄せる恋の波のあとに残ったのは
切り立った崖
君と僕の間の深い深い溝
こちらの僕がこぼした涙
あちらの岸壁の花が受け止めた
それが君ならよかったのにと
幾夜泣いたことでしょう

ココロ伝えることに総てを燃やした過去を
古ぼけた鏡に映してビデオテープを巻き戻す
今の時を刻む時計の振り子の音が囁いた
CDがリピートされるころ
総ての力は君の前で全てを取り繕うために
つぎはぎの僕らは簡単にちぎれちゃう
僕はほつれや破れ目を直すのに必死だけど
君は破れかけのとこだって躊躇なく踏んでいく

目覚しを5分早めた
面白みもない一日に
少しでもしがみついていたくて
その5分が僕と君とを
どのようにか動かすわけでもないけど
朝の風に揺られて目を覚ます
それが君ならよかったのにと
幾度呟いたことでしょう
それが君ならよかったのにと
幾夜泣いたことでしょう

CDがリピートされるころ
打ち寄せた波が引いていく
水が干上がってしまうころに
こぼした涙はまたそこに
愛の海を作ることができますか
蝶を追って岸の淵に立った
顔をあげた先のあの人が
君ならいいのにと
何度涙したことでしょう

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