POEM

□たばこのうた
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唇と触れ合う瞬間
火が灯る
貴方に吸われるたびに私はどんどん貴方に侵されていく
そのたびにもう、あなたが私だけになってしまえばいいと思うのに
あれだけ愛してくれたのに
厭いたら綺麗なガラス箱に私を放り込んだまま
けっきょく次へ乗り換えてしまう
あなたの体は欲望に正直で
刻み込まれた快楽を追うために狂ったように次から次へと手を伸ばす
もう二度と私に火がともることはなく
あたらしいやつがあなたに愛されるのを見守るだけ
同じように捨てられてくるやつらを見ながら
狂っていくあなたを見ながら
ボロボロになりながら泣いているだけ

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