POEM

□I am my god
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私は私の神である。

このホシができたのが宇宙の神秘であり
人間ができたのが生命の神秘であって
それらがすべて神によってなされたものだなどと
そうして思えようか

私を創るのは私である
私が存在する理由は父母がであったからだ。
父母が出会ったのは二人が生まれたからだ。
だがそれだけの長い年月が「神のお定めになった運命」などと陳腐な言葉に収められてよいものか
私を創るのは私である
私は父母から生まれたが、父母の後を着いて一生を歩むわけではない
途中で
転び 怪我をし 見失い
挫折し 悩み 嘆いて崩れ
微笑み 感涙し 抱きしめて
歓喜し 満足し 好機に出会い
考え 伝え 怒り 悲しみ
哀れみ 慈しみ 恨み 避け
見つけ 愛で 詠い 想い

果てしない情緒の中で
数多とある言葉の中で
星の数の出会いの中で
無限の思想言論の中で

私が私を創ってきた
私が私を創っていく

何人たりとも神を名乗ることは許さない
しかし私は私だけの神であり
貴人の前では草原に潜む虫に過ぎない
何人たりとも私の創造を邪魔することは許さない
しかし私は私だけの神であり
貴人の前では過去の礎に過ぎない

万能の神など居はしない
縋るために奉られるものの存在など創造の妨げに過ぎない
下らぬ幻想の聞き手になる幻覚など要りはしない

傷だらけになり 泥にまみれ
泥濘にはまり 雨に打たれ
陽に照らされ 風に抱かれ
空を仰いで 月に跪き
息を切らして 足を震わせて

私が私を創るのだ
私は私だけの神であり
私は最後にはその神にすべてを託すのだ

私は私の神である

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