囚ワレノ詩
□望み
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望みを持つ者は
何処から見ても奇麗でしょう
だけど
余りにも必死で足掻く姿は
望み等無い者にとって
ただ酷く醜い姿に写るでしょう
狂気染みた彼は
希望に目を輝かす彼を
疎ましく感じ
妬ましく思い
彼の希望を根こそぎ奪ってしまいました
それだけでは飽き足らず
彼の希望に満ちた存在さえも消し去ってしまいます
何れだけ助けを求め様が
命乞いをし様が
彼は耳も貸さずただ躯に刃物を突き立てました
返り血を沢山浴びて
顔にも飛び散り
彼の全身は血潮にまみれました
その赤い液体は身の回りまでも真っ赤に染めたらしいのです
そして息をしなくなった彼の首筋に口を寄せ
彼は希望に満ちた彼の血を
ゴクリ…ゴクリと
沢山飲んだそうですよ
そして彼自身
醜いとは解っていながらも
希望に満ちた彼へと姿を変えた
彼と同じ運命になる事を知らずに………
。