囚ワレノ詩

□望み
1ページ/1ページ

望みを持つ者は


何処から見ても奇麗でしょう


だけど

余りにも必死で足掻く姿は



望み等無い者にとって


ただ酷く醜い姿に写るでしょう





狂気染みた彼は

希望に目を輝かす彼を


疎ましく感じ

妬ましく思い



彼の希望を根こそぎ奪ってしまいました


それだけでは飽き足らず

彼の希望に満ちた存在さえも消し去ってしまいます


何れだけ助けを求め様が

命乞いをし様が


彼は耳も貸さずただ躯に刃物を突き立てました



返り血を沢山浴びて

顔にも飛び散り



彼の全身は血潮にまみれました



その赤い液体は身の回りまでも真っ赤に染めたらしいのです



そして息をしなくなった彼の首筋に口を寄せ


彼は希望に満ちた彼の血を

ゴクリ…ゴクリと


沢山飲んだそうですよ



そして彼自身


醜いとは解っていながらも


希望に満ちた彼へと姿を変えた







彼と同じ運命になる事を知らずに………







[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ