真の願い

□第15話 看病
6ページ/31ページ







「その前に、服脱がさないと湿布も包帯も巻けないんじゃない?」

「そう、ですね…脱がしましょう」

「脱がしましょう、って簡単におっしゃいますけど…私たちだけで、できます?

服はすべて脱がすわけですから、ジャケットやスカートなど、人が起き上がった状態でなければ脱がすことは不可能ですわ。

さすがに、私たちだけで、人一人持ち上げることなんてできませんもの」


「それもそうです…

誰か、れなちゃんを抱えあげられる人がいれば……」



皆の視線は、幾斗へと注がれた


「…俺がやるのか…?」

「幾斗以外に誰がいるっていうのー?」

「俺は男だが」

「この際こだわってなどいられない。

例え貴方がロ〇コンであったとしてもだ」


「いやいや、あんた言ってることおかしいわよ」

「幾斗さん、手伝って、いただけますか?」

「あいつが今起きてたら本当に嫌がると思うが」

「今は眠っているから構わないです。

何、裸を見られるわけじゃないですよ。治療の必要なところまで肌が見えているだけでいいですから。

下着まで脱がすことはないと思うですよ。だから、大丈夫ですよ」


「本当に大丈夫か?」

「本当に大丈夫ですよ」

「俺がれなに嫌われたら絶対こいつのせいだろうな…」

「あの…声が小さくて何を言っているのか聞こえないのですが…?」

「なんでもない。独り言だ」

「そうですか。では、そろそろ、お願いしますですよ」

「…ああ…」






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ