真の願い
□第15話 看病
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「その前に、服脱がさないと湿布も包帯も巻けないんじゃない?」
「そう、ですね…脱がしましょう」
「脱がしましょう、って簡単におっしゃいますけど…私たちだけで、できます?
服はすべて脱がすわけですから、ジャケットやスカートなど、人が起き上がった状態でなければ脱がすことは不可能ですわ。
さすがに、私たちだけで、人一人持ち上げることなんてできませんもの」
「それもそうです…
誰か、れなちゃんを抱えあげられる人がいれば……」
皆の視線は、幾斗へと注がれた
「…俺がやるのか…?」
「幾斗以外に誰がいるっていうのー?」
「俺は男だが」
「この際こだわってなどいられない。
例え貴方がロ〇コンであったとしてもだ」
「いやいや、あんた言ってることおかしいわよ」
「幾斗さん、手伝って、いただけますか?」
「あいつが今起きてたら本当に嫌がると思うが」
「今は眠っているから構わないです。
何、裸を見られるわけじゃないですよ。治療の必要なところまで肌が見えているだけでいいですから。
下着まで脱がすことはないと思うですよ。だから、大丈夫ですよ」
「本当に大丈夫か?」
「本当に大丈夫ですよ」
「俺がれなに嫌われたら絶対こいつのせいだろうな…」
「あの…声が小さくて何を言っているのか聞こえないのですが…?」
「なんでもない。独り言だ」
「そうですか。では、そろそろ、お願いしますですよ」
「…ああ…」
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