真の願い

□第16話 お返し
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ギュッ…ジョバッ…


水を絞ったタオルを幾斗の頭の上に乗せる


そのあと、れなは自室を出て、リビングの戸棚をあさり始めた


「れなちゃん、何か探してるの?」

「氷枕を作ろうと思ってね…あ、あったあった」

「それをどうするの?」

「この中に、氷を入れるの。

それを、頭の下に敷いておくと、熱が下がるんだよ」

「氷を入れればいいのね?

なら、任せて頂戴」



ナミネが氷枕に向かって指を向け、叫ぶ


「フリーズ!」

「おっ?」


氷枕が途端に重くなった


中には、大きな長方形の氷が詰まっていた


「す、すごい…!」

「水を扱うのよ。水の温度を下げて、氷にすることなんて簡単よ。

これでいいでしょう?」


「でも、これじゃあ、頭の下に敷いたら固いよ…?」

「なら、どうすればよかったの?」

「少し水を入れて、頭を載せても痛くないようにするの。

それには、まず氷を砕かなきゃね」

「なら、カットしちゃえばいいんですわよね?

でしたら私が」



セイラは氷枕の開け口に指を向け、叫ぶ


「エアーカット!」


風が起き、氷枕に向かって飛んでいく


「おお!」


氷がカットされ、綺麗な立方体の形の氷が大量にできた


「どうです?」

「すごいすごい!!綺麗にできてる!

よし、今度はこれに水を入れないと…。でも、このまま水を入れると、氷枕がパンパンになっちゃうね…」

「なら、中の氷を溶かしちゃお!あたしに任せて!」


ルナは氷枕の開け口に手を向け、叫ぶ


「ファイア!」


氷が溶け、水になりはじめる


「おお!」

「ストップ!」


再び叫ぶと、氷は溶けるのをやめた


「水と氷のバランスが悪くないよ。

うん、これならできるよ。有難う、三人とも」

「どういたしまして」


氷枕を閉めると、れなは自室に戻った





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