真の願い

□第14話 誘拐
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放課後、あむとれなは、職員室にいた


しゅごたまを取り戻すためである






「えーっ!?なくなったぁ!?」


しゅごたまが行方不明になったらしい


「そうなんだよ。確かに机に置いておいたんだけど」

「そっ、そんなぁっ!」

「ごめんね…弁償するから。

それにしてもおかしいなぁ。

たまごに手足が生えてどこかに逃げたとしか…」


「(あ…あいつらめぇ…)」

「(上手く逃げられたのかな…。

ってことは、皆家で待っててくれてるのかな…?)」


「どこで買えるかなぁ?」

「いいですっ!さよなら!

いこっ、れな!」

「うん!(皆待ってると思うし)」

「あ、神谷さん〜?」


走り出そうとしたれなを二階堂が止める


「なんですか、先生」

「ちょっと、話があるんだけど…いいかな?」

「話、ですか?」

「ついてきてくれる?」

「あ、はい…。あむ、先に行ってて」

「うん、わかった。それじゃあね」


あむは、職員室から走って出て行った


「じゃあ、ついてきてね」

「はい」


れなは、二階堂とともに、あむが出て行ったのと違う扉から職員室を出た











少し歩くと、薄暗い場所にたどり着いた


暗い場所が苦手なれなの足取りは、少し震えている


「あの、は、話って、何なんですか…?」


話すのも大変そうだ


「んー…そうだね。ここならいい、かな?」


二階堂は立ち止まって、れなの方を見た


「な、何が、でs…んぐっ!!」


言い終わらないうちに、れなの口にハンカチのようなものが当てられた


睡眠薬でも入っていたのだろうか


れなは、その場に倒れ込んだ





「フッ…意外と、チョロいものだな」


そこには、いつものようにヘラヘラした二階堂の姿はなく


冷徹な笑みを浮かべた、恐ろしい二階堂がいた






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