真の願い
□第15話 看病
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「それにしても…これは…どういうこと?」
腕に巻かれた包帯を首を動かして示す
「覚えてないのですか?」
「覚えてないって…何を?」
「お前、あの屋敷の部屋から力づくで出たんだ」
「力づくで?そんなの無理だよ。
あたし、力、ないし…」
「だろうな。おそらく、お前の力じゃない」
「じゃあ、誰の?」
「そんなもんわかんねぇよ、"誰か"、だ」
「誰かって…」
「その"誰か"はお前の腕と脚に電流を走らせて、扉を破壊した」
「…ありえないでしょ」
「ありえないことじゃない。
その"誰か"がしゅごキャラだったらどうだ?」
「しゅごキャラ、だったら…?」
「ああ。キャラチェンジ、もしくはキャラなりかもしれない」
「で、でも!その仮説は成り立たないよ!
あたしのしゅごキャラは、この子たちだけだし、仮にこの子たちがそんな能力があったとしても、この子たちは、二階堂に捕まってたんだよ?」
「お前のしゅごキャラが、こいつらだけとは限らねぇだろ」
「え?」
「まだ生まれてないだけで、もしかすると、ここにいるかもしれない」
幾斗はれなの心臓部を示すように、その表面、胸付近に当たる部分を指で突いた
「ここに…しゅごキャラが…?」
「可能性はあるな」
「でも…まだしゅごたまが生まれてすらいないんだよ?キャラチェンジ、キャラなりもできるはずないよ」
「できる、かもしれない」
「え?」
「コレだ」
幾斗は、小さな机を指さす
そこには、リストレイションチェーンがあった
「コレ?」
「ああ。前に、お前が言っただろ?これは、ハンプティロック、ダンプティキーと同じ、もしくはそれ以上の力を持つ、と」
「でも…力って言われても、何の力なのか…」
「あくまで、可能性の話だ。
事実かどうかまではわからない。
だが、その可能性は、極めて高い」
「…そっか…」
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