真の願い

□第17話 別れの前に
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「卒業おめでとう!」

「おう」


卒業式を終え、ガーディアンたちはロイヤルガーデンにいる


「やだーあ。空海、留年しろー」


ややがだだをこねている


「無茶言うなよ」


それに困った顔で応対する空海


「相馬君は最年長だったからね、さみしくなるよ…」


本当にさみしそうな顔をして唯世が言った


「困ったとき、不安な時は、この写真に話しかけていいかい?」


どこからか空海の写真を取り出して言う唯世


「普通に電話して来いよ」


少しあきれ顔で空海が応対する


「空海が卒業かぁー」

「あっという間だったわね」


あむとなでしこが言った



そう


今日は卒業式


ガーディアン内で唯一六年生であった空海が卒業したのだ


「おらおら、しんみりすんなっ。

会いたきゃいつでも会えるだろうが」

「そーだよね…。卒業っていったって、中等部にあがるだけだもん。

いつだって会えるよね。

ね?なでしこ」

「ええ…」


あむの言葉に、なでしこが少し困った顔をして返事をした


あむはそれに気付かなかったが。


「じゃーな、頑張れよ。最上級生!」


そう言って空海はあむの頭をがしがし撫でていた


「わわっ、ちょっ…」

「……………………」


先刻から黙って見ていたれなが体ごと後ろを向いた


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