真の願い

□第17話 別れの前に
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それに気づいた空海がれなの背中をトンッと叩いた


「どーした、れな?今日は、何かそっけないじゃん」


れなは無反応


そのまま空海に背を向け続けていた


「なんだ、どーしたー?」


空海がれなの体を回転させ、自分のほうを向かせた


「!」


れなはそれに驚いて目を見開き、空海を見た


「!」


今度驚いたのは空海だった


なぜなら


「れな、お前…何泣いてんだよ」


れなの瞳にははっきりと涙が見えた





泣かないようにと堪えていたけれど、やはり、涙が込み上げてきた



ただ中等部へ上がるだけだから、会えなくなるわけではないのに



会える回数が減るからと、ただそれだけの理由で涙が瞳に浮かんだ




泣かないと、決めていたのに…







「せっかくの卒業式なんだ。

笑顔で見送ってくれよ!」


そう言われても、笑顔になれなくて


ただ、一言だけ


「ごめん…なさいっ…」


それが限界だった



その言葉がきっかけとなったのか、涙が一気に頬を伝った


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