短編3♪

□君の優しさ、君の温もり
1ページ/3ページ

なんでかな。いつもしつこいくらいに纏わり付いてくる我儘王子が今日は珍しく寄ってこない。こっちは見るんだけど、妙にソワソワして、寄って来るどころか、話しかけてすらこない。もう夕方だっていうのに。どうしたんだろう。今ベルは部屋にいるはずだから行って聞いてみよう。ベル、今日の君変だよ。どうかしたのかい?「べ、別になんでもないしっ////」そう。なら別にいいんだけど。じゃあね。………なんでもないんでしょ、だから僕に絡ませたその腕を離してよ。「うっわ、マーモン冷たい。それが仮にも恋人に言う言葉かよっ」…勝手に変な妄想するの、やめてよ。僕が君と付き合うなんて一度でも言ったことがあるかい?「王子もうマーモンのこと知らないっ。」君は僕の話を聞いていた?ていうか知らないとか言ってるけど君、思い切り僕のこと抱きしめてるよ。………ムム……ベル、今日なんか良い匂いがする。僕が大好きな………レモネードの香りが。ベルの部屋をよく見ると、テーブルの上にはレモネードと5円チョコの山。…………ねぇベル、あのテーブルの上の山の意味は何?「お、王子が食べるんだよ!!マーモンだけのためにわざわざ取り寄せたなんて恥ずかしくて口が裂けても言えねぇしッ////」……しっかり声に出ちゃってるよベル。「でもっっそんなに食べたいなら、王子が一緒に食べてあげないこともないよ!!!!」はいはい。一緒に食べて欲しいんでしょ?「ち、ちげーし////あくまでこっちが一緒に食べてやる側だしっ!!」………(微笑)じゃぁ……ベル、僕も君と一緒にアレ、食べたいな。「仕方ないなぁ///じゃあアレ、全部王子のおごりで一緒に食べてやるよ!!」ありがとう。ベル。「じゃあ、早速食べよう!!」本当に自分勝手で我儘な王子だね。まぁ、それが君の良いところなんだけど。「なんか言った、マーモン?」ううん何にも言ってないよ。それより早く食べたいな。「待ってろって。今紅茶いれてんだから♪」ウム。君のためならいつまでも待つよ。







君が誰かのために何かをするなんてきっと初めてだったんだろうね。それをどう伝えたらいいのか、わからなかったんだろう。だからあんな態度だったんだね。ありがとう、大好きだよ。でも次はもう少し素直に伝えてくれたらもっと嬉しいかな(笑)
そうしたら僕のこの気持ちも素直にこの口から伝えてあげるから。君だけを想う僕の心を。










END.


















→おまけ
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ