メリーバッドエンド

□捨てる事の無い貴方達
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「もう、呑めねぇ・・・。」


「はっはっはっ、やっぱりブン太がいっちん早く潰れたやっし!」


「ほんま、ムカつく・・・アタシ達も結構ゲーム得意やのに。クソ野郎に二杯しか呑ませられんかった。」


「潰れてねぇ!これ以上呑んだら美味いケーキが食えなくなるからだよぃ!」


「2Lの酒瓶三本空けときながら、よう言うわ。コイツら、飯は底無し、酒も底無しかい。」


「おい!忍足!ケーキ!」


「仁王に勝ってからやなかったか?ええんけ?仁王。」


「構わんよ。ちひろも、ケーキ楽しみにしとるきに。」

ご飯食べ終わっても、ゲームをしてた四人。
ほんのりと赤く染った、丸井君、ちひろ、私。
忍足君も結構呑んでたと思うけど全然平気そうね・・・。


「わあい!けーき!けーきぃ!」


「くく、可愛ええのぅ。忍足、誰かさん達が弱過ぎて全然呑み足らんきに、ロックでついできてくんしゃい。」


「あたしも、もーちょっとのむー!」


「ちひろは弱いんやから、少なめ割りやで。」


「んー。」


「光は酔ってない?大丈夫?結構呑んでたよね?」


「大丈夫。せやけど、俺ケーキ要らんから膝だけ貸してや、美夜子。」


「え、あ!光!」

私の制止も聞かずに光は私の膝に瞼を閉じて寝転んだ。
頬を触ると、少しだけ暖かった。


「マジムカつく。昨日発売したばっかの、ゲームだってのに、まさか、仁王、昨日からしてねぇだろーなぁ!」


「新品やったじゃろうが。おまんらが下手なだけナリ。」


「桜ー凛ー仇うってくれよぃ。」


「無理だって。わん、一回も、勝ってないんやっし。」


「いや、お前らの得意な酒で。」


「あーうりなら勝てそうな気がすん(それなら勝てそうな気がする)」


「おーし!やんぞぉー!おしたりぃ!酒瓶もってこぃ!」


「ケーキと包丁ここ置いとくから、自分で切り分け。」

お皿と包丁とケーキを忍足君が持って来てくれた。
皆はケーキに釘付けに。
キッチンへ戻って行った忍足君に目をやると、透明な液体を全部酒瓶に入れてた。
えええ!!そんなに入れるの?!大丈夫なの?!
私呑むの控えなきゃ・・・。



「で?何で勝負する?」


「仁王に勝負事挑む時点で無謀じゃね?俺、中学ん時からジャンケンすらロクに勝ったことねぇーんだけど。」


「ほな、男らしく、一杯ずつ呑んで、潰れた奴が負けってことにするかのぅ?」


「ぬーが男じゃ!クソ白髪!お前のその変な人を馬鹿にしとる様な口癖もほんまに、昔からウザイんさ!止めろや!」


「プピナッチョプピナッチョ!勿論ここに居る男、全員参加でナリ。」


「え、俺もっすか。」


「光?起きてたの?」


「寝てへんわ。美夜子の膝に乗りたかっただけ。」


「頬あったたかったよ?あんまり呑まない方がいいんじゃない?」


「惚れた女の前で、逃げるなんざ、そんな真似出来へんわなぁ?財前。」


「はいはい。分かりました。やりますよ。侑士さん。」


「急性アルコール中毒になったら、俺が診たるさかい、心配しな。」

こつん、と大きい酒瓶を二本の机の上に忍足君が置いた。
ちひろは、隣に座った忍足君と、また、抱き締められた仁王君にロックでつぐ。
私は光についであげる。
丸井君は、桜と平古場君にロックでつぐ。
確かに、仁王君は中学生の時から、いつもよく分からない擬音使ってるよね・・・。いつの間にか色々増えてるし。
成人しても、変わらず使ってるし・・・なんなんでなんだろ?また聞いてみようかなぁ。


「おい、ちひろ!お前は俺とジンジャエール割り勝負だぜぃ!」


「うわ、最悪な奴に喧嘩売られたんやけど。」


「惚れた男の前で、逃げんなんて、そんな真似しねぇよなぁ?」


「ブン太、ブン太まで!ぬーが男だ!あんま呑みすぎたらあかんで?既に酔ってんやっさ〜。」


「わっーてるよぃ。まだ、大丈夫だよぃ。ケーキ、あーんして。」


「・・・ふんとーんかい(本当に)分かってんのかね。」


「あ、ずりぃ、わんにも、あーんするさ!」


「分かったって。はい、凛もブン太も、あーん。」


「・・・美夜子、俺にも。」


「え?」

隣を見ると、目を瞑って、光が口を開けて待ってた。
酔ったら、甘えたになっちゃうのかな?可愛いなぁ、なんて思いながら光の口へケーキを運ぶ。


「雅治!侑士!あたしもあーんしてあげるー。はい、あーん。」


「「ん、あーん。・・・・・・・・・・・・あんまっ。」」


「ふふ、二人が甘いもの食べてるの見た事無いのに、ちひろからだと貰うんだね・・・。」


「ちゃんと、餌もらわなあかんやんけ。」


「頭おかしい事言ってねぇで、早く呑めい!」


「誰から呑む?時計回りでええか?」

皆こくりと頷いて、桜から呑むことに。
涼しい顔して、桜は一気に媚薬入りの焼酎を飲み干した。


「うわ、芋か。甘いさねぇ。」


「芋って、甘ぇの?」


「うーん、まぁ、麦よりは甘い感じがするかなぁー?さ、どうぞ次ブン太。ゆっくり呑みよ。ブン太は参加してへんねんから。」


「参加してるっての!!!」

ごくごくごくごくごく、五口で丸井君がジンジャエール割を飲み干した。
ほんのりと赤い頬のまま。
平古場君は涼しい顔してロックを飲み干していた。
光も、仁王君も、忍足君も・・・お酒強いのかなぁ?
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