メリーバッドエンド

□危険な先生
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「えー!ほんまに行くん?!」


「行くよ。美夜子と桜の事気になるし。」


「そんなえっちな身体、見たら男子中学生なんか、直ぐ盛ってまうやろ!」


「あたしの事そんな目で見てんのは雅治と侑士と千里だけやから大丈夫。」


「じゃが、その制服・・・結構胸キツそうじゃよ?」


「あー、ちょっとキツイけど、まだ着れるで?あたしもまだまだ若く見えるんちゃう?」

中学生の制服を来て、くるりと一回転する。


「童顔やから、中学生でも通るやろうけど・・・。もし、変な目で見る奴ら居ったら即病院送りにしたる。」


「侑士は今先生やねんから、そんなんせーへんの!」


「なんで俺等が先生なんじゃ・・・。どうせなら一緒に中学生になりたかったナリ。」


「なったもんはしゃーないやろ!」

朝から二人に家の中で追いかけられる。
捕まらんように鞄を持って、玄関をあける。
溜息つきながら、二人が着いてくる。
マンションの下に着くと、見慣れた顔。


「おはよーございます。先輩方。」


「光?朝からどないしたん・・・って、そういや光は何処に住んでんの?」


「鞄の中に鍵と地図が入ってて、この近くのワンルームのマンションに住んでます。」


「精ちゃんやな。」


「ピアス、ちゃんと消毒しました?」


「侑士が朝からしてくれたよ。」


「話はそれだけか?」


「・・・いや、美夜子の記憶が戻らん内に、俺も処女奪いたいんすわ。」


「朝からなんて話してんのよ。光なら簡単に奪えるやろ?」


「勿論、力づくでは奪えますよ?でも、俺は心も欲しいんすわ。」


「ほんま、男前やなぁ、ひか・・・」

そこで、あたしの言葉は止まる。
理由は明白。
雅治と侑士が思いっきり首元に噛み付いてくる。


「ちひろ、最近コイツの事褒めすぎちゃうんけ。」


「俺の事を!もっと褒めんしゃい。」


「いったぁぁ!!!制服に血垂れたやん!!あんなぁ!光にはこれっぽっちも恋愛感情なんて無いんやで?!」


「ふうん。ほな、俺等が他の女褒めてもかめへんねや?あー、あそこにおる女、可愛ええなー。足綺麗やなぁ。胸もデカいなぁ。」


「あっちの女も、綺麗な二重で可愛い八重歯しとるのぅ。」


「っ、あ、あ・・・、や、・・・。」

立ち止まって、涙を流す。
蹲って、号泣する。
強い力で引っ張られて、じっと瞳を見つめられる。


「分かったか?泣くぐらい妬くなら他の人間の事褒めんな。ど阿呆!」


「それ以上他を見ると、目ぇ、抉るぜよ。分かったか?俺等は本気ぜよ。」


「わ、わかっ、た・・・。でも、・・・目ぇ抉り取られて、雅治と侑士に一生介護して貰うのもええかも・・・。二人の顔見れんのは、残念やけど・・・。」


「ほうかほうか。ほな、今から手術しに行こか?」


「これで俺等居らな絶対に生きて行かれへんな?あー楽しみ。」


「朝からそんな物騒な話、せんとってくださいよ・・・。」


「俺等は本気じゃよ。」


「ちひろちゃん、目ぇ覚まして下さい。仁王さんと侑士さんの、カッコイイ姿見れんくなってもいいんすか。ちひろちゃんしか見れん二人の姿もいっぱいあるんでしょ。ちひろちゃんだけの特権やないっすか。勿体ないっすよ。」


「・・・・・・確かに。雅治と侑士の笑顔も、怒った顔も、嫉妬してる顔も、気持ちよさそうに喘いでる顔も、あたしだけしか見られへんもんな・・・。やっぱ止めとこ。」


「プピ。なんじゃ、やめるんか。」


「めっちゃ素直に諦めるんすね?!」


「当たり前やん。俺等はちひろに絶対服従。ちひろが嫌がる事は絶対やらんし、ちひろが求める事は絶対にしたる。永遠の奴隷。」


「ふふふ。雅治・・・侑士・・・愛してるよ?」


「俺の方が絶対に愛してるけどな!」


「愛情だけは、ちひろに勝っとる自信あるきに。」


「分かってるよ。そんなとこも含めて愛してんの。」


「イチャつくんは、ええんすけどもう学校着いたんで、生徒のフリしてもらえますか?」

いつの間にか校門前。
元に戻るまで、一応隠しとかなあかんか。
光の声で我に返って雅治と侑士を見ると、さっきまでニヤニヤしてた顔が無表情になる。



「あー!ちひろせんぱーい!!」


「赤也?おはよー!」


「なんで朝練来てくれないんっすか!桜先輩も美夜子先輩だけだと、大変だったんすよ〜!」


「ごめん、寝坊してさー。」


「仁王先生?忍足先生?財前先生まで、一緒に登校っすか?」


「たまたま会っただけやで。ほら、チャイム鳴ったから行こ?」


「あれ?ちひろ先輩、首、血垂れてるっすよ。」


「え?まだ止まってへん?雅治!侑士!光!言うてよ!」


「ちひろは、教室より先に保健室行きやな?」

わざとらしく侑士が笑う。
あたし、授業また遅刻しそう・・・。
どうか、雅治が一時間目から授業ありますように。
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