メリーバッドエンド

□捨てる事の無い貴方達
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寝癖炸裂の財前に、事の一通りを説明する。
美夜子のも近いので、それを祝って誕生日パーティーと言う仮のパーティーを開く。
飲み物に無味無臭の媚薬を混ぜる禁忌の乱交パーティー。
他の人間と会うなんて吐き気がするけんど、吐瀉物をちひろが飲んでくれるなんて、興奮して、嬉し過ぎて今から楽しみ過ぎた。


「俺が寝てる間に、偉い大層なことになっとるんすね。」


「ビックリしないの?光。」


「俺は、この人等に色んな恩がある。この人等がやれゆーなら、何でも喜んでやるわ。」


「やー、良い奴やっさ!」


「いや、そんなんやないっすよ。美夜子と、また朝までヤれるんかと思たら涎垂れただけっすわ。」


「ひっひかるぅ!?」


「まぁまぁ、落ち着いて、美夜子。あたしは桜を呼び出して、雅治は丸井を呼び出したらええねんな。」


「ほな、俺は、媚薬取りに帰るんと、ケーキ買うて来るわ。勿論、俺のも飲んでやー?蕁麻疹も治してな?ちひろ先生♡」


「はいはい。勿論です。お願いな?侑士先生♡」


「はぁ、ベッドの中のお願いやとめっちゃ気乗りすんのになぁ・・・。」

嫌そうに侑士が、重い腰をあげる。
見送り、とちひろも立ち上がる。
要らんことせんように俺も立ち上がって玄関へと着いていく。


「行ってらっしゃい、侑士。」


「行ってきます、ちひろ・・・ちょ!お前!」

キスしようとした侑士の腕を払い除けてちひろを腕の中へ。
舌打ちして侑士は踵を返した。


「帰ってきてからのお預けやね、ゆーし。」


「雅治より、よがってや、俺に。」

ひらひらと手を振って、見なれた背中が消える。
ちひろの手を引いてリビングへと戻る。
でもほんに、なんで俺があの女の為に・・・。
頭痛も、吐くのは構わん。じゃが、まじで萎えたらどうしようかと悩んだが俺も媚薬飲めば良いと自分を洗脳して、考えないようにした。


「えーっと、誕生日でケーキ食べるから、あたしの家に来て、っと。」


「仁王、やーはなんて送るさー?ブン太はちひろの事嫌ってるし、ちひろぬ家来るか?」


「ほうじゃなぁ。まぁ、ここは詐欺師に任せんしゃい。今の時期なら二人とも講習も無いきに。」


「ふふ、さすがあたしが惚れた詐欺師様♡頼りになるわ。」


「プリッ。」

俺の腕の中で幸せそうに笑うちひろ。
ちひろの幸せそうな顔を見るともう何でも良くなってくる。
あの女に見せ付けるのもいいか。
お前は、侑士にすら負けてるってことをな。


「あ、凛ちゃん。そう言えば、その荷物なんなん?」


「これは、暫くこっちに泊まるから、持って来たんさ。着替えとか、髪の毛用品とか。」


「髪の毛用品・・・相変わらず金ちゃん以外は女子力高い幼馴染達やなぁ・・・。どうせ雅治ん家戻って来るやろうから、置いといてええで。」


「りょーかい。」


「そう言えば、俺、まだ居てもいいんすか?」


「雅治達は不本意やろうけど、二人で会える場なんてここしか無いんやから満足するまで、美夜子の迎えが来るまで居ってええよ。な?雅治?」


「はぁ、俺等がちひろの、はてなマークにNOと答えられたことがあるか?分かっとるくせに。」


「ふふふ、ないでーす。・・・ほな、行こか。あたしの家。」

俺も、重い腰をあげる。
あー、ちひろの事抱き締めてちひろの匂いでまた、ムラムラする。
昨夜のちひろの腰の振り方で思い耽って、何とか我慢する事にした。
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