過去拍手集

□2008魚誕拍手企画
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今日は憧れのあの人のバースデー。

きっと今頃はたくさんの女性が宮に押し寄せ、彼女達と楽しいひとときを過ごしていることでしょう。

夜は悪友(?)達に祝って貰うのでしょうね。

私は…

押しかけてプレゼントを渡す勇気も無い。そしてプレゼントすら用意してもいない。

だって…‘その他大勢’の中の一人だもの。

顔も名前すらも あの人は知らないでしょうからね…。


娘は小さな溜息をつくと、いつもは纏めている髪を少しだけ下ろし、お気に入りのワンピースに袖を通した。

今日は憧れのあの人の為に少しおめかししておこう。

いつの間にか身につける小物や香水は薔薇系が増えた。

あの人と…
こっそりお揃いの気分。

そして娘はお気に入りの場所へと向かう。

そこは双魚宮のバラ(安全な方)の香りが微かだが風に乗って運ばれてくる場所。

持参した水筒から紅茶を注ぎ、春の風に吹かれながら微かなバラの香りを楽しむ。

そしていつもの様に四つ葉のクローバー探しに精を出す。

もしも見つけることが出来たら、あの人の幸せを願おう。


「アフロディーテ様…。」


突風が吹いた。

はっきりと香るバラの匂い。

思わず娘は振り返る。



「髪の毛、下ろした方が似合ってるよ」

逆光で声の主に気づくまで数秒かかった。

左目の下に泣きボクロ。

あの人だった。


やっと見つけ出した四つ葉のクローバーの様に、その他大勢の中からすでに見つけて貰えていた娘。

「アフロディーテ様、お誕生日、おめでとうございます」


そう言って、さっき見つけた四つ葉のクローバーを差し出す。

(私の幸せは貴方の幸せです)


これからもずっと。

貴方を見守ることが私の幸せです


fin.
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☆四つ葉のクローバーの花言葉☆

Be Mine

ビー・マイン

私のものになって。
私を想って下さい。

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