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□不安
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[獄寺]
玄関のチャイムの音で目が覚めた。
っるっせ―…
それまで見ていた夢を、不快に思いながらベットから起き上がる。
玄関を開けたら、今一番考えたくないやつの顔がそこにあった。
**不安**
オレはソファーに座って天気予報を見ていた。
十代目が今週の天気について知りたくなったときに、いつでもお答えできるようにしておくためだ!
斜め前には…
野球バカ。
日曜だってのに朝から家にきやがった。
部活はないらしい。
オレは今朝見た夢のせいで、なんだか落ち着けなかった。
チラッと山本に目を向ければ、つまんなそうにテレビの画面を見てる。
「なぁ獄寺ぁ〜」
呆れたらしく、山本はそう言ってオレの膝の上に頭乗せてきやがった。
「なんだよ!!今コレ見てんだから邪魔すんな!!」
オレの反抗にも動じず山本は甘えてくる。
「…ったく」
あっさり折れて渋々と山本の髪を撫でてやった。
一瞬驚いた顔をしたが、そのうち笑顔になってオレに抱きついてくる山本。
そんな表情を見られなくなる日は遅かれ早かれやってくる。
今朝見た夢が現実に起こると思うと……。
オレはふいに山本の服の裾を掴んでしまった。
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