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□Question&Answer
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「ねぇ…」

了平は僕を見た。
その優しい眼差しで、何だ?と聞いてくる。愛しさが込み上げ、目の上の傷痕にキスを落とした。



「僕が死ぬって時、了平の心臓を僕にくれれば、僕が生きられるとしたら」



「了平は、僕に心臓をあげられる…?」




【Question&Answer】




二人きりの部屋で、了平は暫し黙った。

こんな質問、試しの他ない。僕が死ぬ時に、了平が心臓をくれたら僕は生きられる、なんて。
要するに、自分の命を犠牲にしてまで相手の命を繋ぐことを選ぶのか、と言うことだ。

僕は了平が好き。
10年前に出逢い、時を重ねる毎に惹かれていった。なんでこんな人に惚れてしまったのか。
有り余る煩さに安心感を持ち、明るい振る舞いに癒され、表裏のない言動に救われた。
ずっと一緒にいたいとか、面倒な感情を抱き始めたのはいつからか。まったく、群れることを嫌う僕は何処へ行ってしまったと言うのだ。

だからこそ、不安になった。好きだからこそ、そんなどうしようもない質問をしてしまったんだ。

そして、了平は未だに黙ったまま。沈黙が、恐ろしいスピードで不安を募らせた。




「…ううむ、心臓はやれんこともないが、丸々やることはできん」


了平は何時にも増して、真剣にそう言った。

なんだ、結局は僕より自分のほうが大切なんだね。
これではっきりしたよ。君が僕を想う強さより、僕が君を想う強さのほうが上回ってるってね。

「恭弥。きっと、昔のオレなら心臓をやると即答しただろう」

何。昔は好きだったってことかい?じゃあ今の君はどうなの、そんな言い訳は聞きたくない。

了平の言葉に返すものの、声として出てはくれなかった。居ても立ってもいられなくなり、その場を離れようとしたが。

「恭弥っ…」

直ぐに引き寄せられて腕の中。大人しく収まって自分に嫌気がさすが、やはり彼に抱きしめられていたいと思う気持ちに負けてしまった。それこそ、僕と了平の気持ちを比較してしまう材料の一部となり、涙が出そうなまでに胸を痛ませた。


「心臓をあげたらオレは死ぬ、恭弥は生きる。オレはそれが出来そうにない」

「恭弥を置いてなど逝けない」



耳元で放たれる声は、どこか震えて聞こえた。


「恭弥の隣に誰かがいるなんて、極限、嫌だ。恭弥がオレ以外の誰かを好きになるのも嫌なのだ」

昔のオレは、ストレートだったな。感情がいつも体を突き動かしたものだった。
しかし今の自分はどうだ?
知らなかった感情を知り、中途半端に混ざり合っては弧を描く。

恭弥を誰かに渡すものか、と。



「だから、恭弥を一人置いてなど逝けん。かと言って恭弥の死を見てまで生きたいなどとも思わん」

ならば、と了平が考え出した答えは。


「その時は、極限、心臓半分こだ…!!」


僕は了平の答えを黙って聞いていた。そして了平の答えに、僕は泣いた。

「鼓動が一緒になるのだぞ、嫌か…!?寿命も一緒だ、ううむ、それなりに短くなってはしまうがな……」

「…嫌じゃないよ、別に」
「ならば何故泣く…!!」

焦って了平が僕の頬を流れる涙を拭う。それから続いた了平の言葉に僕は笑った。


「死ぬ時は一緒に死のうな」

「わぉ、君って意外とロマンチストだったんだね」



不思議だ。
誰もが持つであろう死の恐怖を、こんなにも薄れさせるなんて。


お互いどちらともなく唇を重ねる。指を絡めて、了平を見つめ、極限愛してる、と僕が囁くと。

笑って、真似をするな、と了平は囁いた。




Question&Answer。


心臓をあげる、と即答されるよりもずっと。

了平の愛が大きく感じられたんだ。


fin.



コメントお返事》

はじめましてまゆみん様、お断りする理由なんてございません…!むしろ、了ヒバリクエストいただけて喜びました、れんです^^

『しっかり恋人同士の大人な了雲』ということで、書きました。
友達以上恋人未満の了雲を好む私にとって、初めてのキスシーン(あたふた)いつもはギャグチックになってしまうところをなんとか抑えました(真顔)

足を運んで下さっているようで、恥ずかしいやら申し訳ないやらっ;;メインが山獄、サブで了ヒバなサイト故に了ヒバ文を読まれている方はいないだろうなぁなんて思っていました。
ただ、惹かれ合う了ヒバを書いては一人でほくほくしていました私です。

かなりズレてるけど純粋真っ直ぐな了平と、了平と会って自分の世界に色が付いたような雲雀さん…素敵ですよねはあはあ!(落ち着け)

『脳トレ』了ヒバ文も気に入っていただけましたようでとても嬉しいです、5万打お祝い、応援のお言葉もありがとうございます(><)

了ヒバについて愛を叫びたくなったら、これからは自重せずに文にして吐き出しますね(真顔)

本当にありがとうございました…!!


れん


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