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□『いつも』
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「でな!そん時おやじが……って、獄寺、オレの話ちゃんと聞いてる??」

そんな声も聞こえないのか。
寺は辺りを妙に気にしている。

「なぁ、獄寺…??」

「しっ、声出すんじゃねぇ。


………浸けられてる」

獄寺の言葉に驚く。


「誰だか知らねぇが、オレ達のことを良くは思ってないみてぇだな」

神経を張り巡らせば感じる、、殺気……。


尋常じゃない視線に背中が凍りつく。

「は、えと……どうすればいい??」

「たぶん、相手は一人。
二手に分かれるぞ。路地に入ればこの辺の地形に詳しいオレ達のが有利だ」

「このままオレ達の方から仕掛けてもいいんじゃねえか??そのほうが……ほら2対1だし…」

自分達にだけしか聞こえないように小声で話す。


夕日は沈み、月がうっすらと現れてくる今の時間帯…
人通りがほとんどない。

ただ、聞こえてくるのは後ろから浸けて来る何者かの足音。



「さっき10代目に言われたばかりだろうがっ!!こんな町ん中でボムを爆破させたら周りに迷惑がかかっちまうって……。」

そういえばっ……と、思い出す。

さっきツナと別れる際、そんなことを言っていた気がする。

獄寺……戦えないのか。

て、ことになると……


ない頭をフル回転させて考えてみる。


逃げるしか、、ない……か。

「売られたケンカは買う主義だが、相手がどこかのファミリーの刺客とでもなれば話は別だ。ボムなしのオレ、刀なしのてめぇ二人じゃ例え2対1だとしても拳だけじゃ敵わねぇよ。芝生頭となればまたスキルも違うけどな…」


曲がり角をまがれば夕日に背を向けて歩く形になる。
目の前にはオレ達、二人の影。


そこにもう一つ……
黒い影が伸びてきた。



はっ、と息を飲む。


予想より遥かに相手は近づいてきている。


「次のY字路を二手に別れるぞっ…」

「……おうっ」


Y字路まで後数歩。


「獄寺……」

「あ??」

「気ぃつけてな…」

目線はお互いに前方にあるコンクリートブロックの壁。

「…はっ、てめぇもな」


獄寺の言葉と共に別々の方向に走り出す。

後ろなんて見ずに。

ただ前だけを見て走った……。




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