他校話
□大切なもの
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それはいつかの出来事
何の疑いもなく、明日があると思っていたときのこと
たった一つ、質問を投げかけられた。
『あなたが一番大切にしている事は、なんですか?』
(ボクの頭に穴が一つ、冷たい風が吹き抜ける)
丸井先輩は、ガムを膨らませながら言う
「食いもんだよ、食いもん」
柳生先輩は、眼鏡を上げながら呟く
「礼儀、ではないでしょうか」
ジャッカル先輩は、目線を逸らしながら言う
「優しさ、かな」
仁王先輩は、いつもみたく曖昧に笑って
「さぁて、なんじゃろうな?」
真田副部長は、ただ見据えて
「愚問だな。強さだ」
柳先輩は、やっぱり笑って
「理解することだな」
幸村部長は、凛として
「誇り、だよ」
そして、俺の番
俺は―――
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