天を突く!(小説2)

□お酒は二十歳になってから
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「さぁ…」
全員首を傾げる。
それを見てキタンは得意げに続ける。
「そこでだ!!今日は宴会を開いてアイツにしこたま飲ませてやろうぜ!!酔っ払ったみっともない姿もさらしてこそ仲間っつーもんだ!!」
「まさか…それだけのことで集めたの?」
「おう!!ニアちゃんにはもう話して、今シモンの相手をしてもらってんぜ!!」
「用意はいいけど、下らない…でも、ま、面白そうね。」
「さんせーい。」
「まぁ見てみたくはあるな。」
「「宴会だ!!宴会だ!!」」

こうして、『大グレン団リーダー慰安会』という名の小さなイタズラは決定した。

みんな騒がしく盛り上がる中、ロシウは、『シモンさん愛されてるなぁ』と思い、リーロンは意味ありげに笑うだけであった。



「えーではこれより、シモンリーダーお疲れ様&これからも頑張ってください飲み会、を始めます!!ではシモン、乾杯の音頭をどうぞ!!」
「イエー!!」
「い、いえー…どうも、俺のためにありがとうございます。えっと、がんばります。えっと、じゃあ乾杯。」
「かんぱーい!!」

そうして始まった飲み会。シモンは自分のためと聞いてひどく驚き、そして遠慮したが。
「まぁシモン。とってもいい事だと思います。シモンは頑張ってるもの。」

というニアの一言であっさり承諾した。

「シモーン!!飲んでないじゃねぇか!!ほらグッといけグゥッと〜!!」
「う、うん。」
「シモ〜ン、私のお酒飲んでくれないの?」
「い、いや、飲むよ、ありがとうキヨウ。」

こんな調子で、絶えず誰かがシモンに絡み、抜け出せない状況を作る『フォーメーションS』(命名:キタン)により、シモンは順調に酒を飲み続けた。そして宴会も楽しく続いていった。







そして悲劇が訪れた。
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