G.SEED

□吸血鬼なアスラン
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*序章*

昔々、あるところに古いお屋敷がありました。
とても深い森の中にありましたから、めったに人が訪れることはありませんでした。

そしてお屋敷がある森の外には、一つの王国がありまして、それはそれは可愛らしいお姫様がいました。
ですがお姫様は10歳になられたとき、重い病気にかかってしまい明日をも知れぬ命になってしまいました。
王と王妃は悲しみ、お姫様の病気を治したものには望みを一つ叶えるというお触れを出しました。
それを聞いた一人の青年が王と王妃の前に現れ言いました。


「吸血鬼である俺の血を飲ませれば姫は助かる。その見返りに、姫が16歳になったら俺の妻として貰いたい」


王と王妃は悩んだ末、吸血鬼である青年の申し入れを受け入れることに決めました。
そして吸血鬼の青年は、お姫様に自分の血を飲ませ終わると、


「約束を忘れるな。姫が16歳になったら必ず貰いにくる」


そう言葉を残し、去っていきました。


そしてそれから時は流れ、お姫様は美しく成長なされ、明日16歳の誕生日を迎えようとしていました。


時は冬。ちょうど今、吹雪を運んできた黒雲が森の方へと去って行ったところです。
まだ、わずかに吹雪の名残の雪が舞っていました。
そんな様子を窓から頬杖をつきながら詰まらなさそうに眺めている少女がいました。


お姫様と吸血鬼の青年のお話はここから始まります。



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