恋は突然

□恋は嵐の中で
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ドンッ─────



まず、感じたのは焼けるようなひどい痛みだった

異物がそこを通ったと言うよりも、鋭い何かで抉られたような感覚
そこから体が腐っていくような、オレの全てが麻痺していくような、
ともすれば、そこに意識を引っ張られ、視界も定まらない

体を支えることすら困難だった
何とか体勢を保とうとするが、膝を着き、倒れないようにすることしか出来なかった


ふと、隣にいるアイツを見上げた
しかし、今のオレではアイツの顔を見ることは出来なかった
オレの目では、白い物体がぼんやりと見えるだけだった



でも、それで良かったのかもしれない

アイツが、オレが傷ついたところを見て笑っていたらと思うと、この傷以上に胸が痛い
そんなヤツじゃないと分かってはいても、考えてしまう

逆に、哀れんでいても、やはり心が痛い

でも、一番恐れているのはアイツが怒っているんじゃないかということ
アイツは優しいヤツだから
きっと人が傷付くのを見て、自分も傷付くヤツだから
その怒りの矛先がオレならば、それでいい
それが犯人だったら、きっとアイツは警察に突き出すに止めるだろう

でも、それがアイツ自身だったら、、、


きっと、アイツは、オレの目の前から消えてしまう

そんな気がする




薄れゆく意識の中、アイツの白いマントが銀色の翼に見えた気がした




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