恋は突然

□CLOVER
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「KIDだ!そっちに逃げたぞ。ヤツを逃がすな!!」


パトカーのサイレンが夜の街に響き渡る
それに負けじと響く、中森警部の声

あの人に拡声器はいらないな
無線を盗み聞きした時なんか、耳から離さないと聞いていられない
KIDを捕まえたいという思いがそうさせるのだろうか

その真っ直ぐな心は中森警部の短所であり、長所だな


「今宵の舞台はここまで。お付き合いいただきありがとうございました。次回も共演いただけることを期待していますよ、警部」


そう告げると、中森警部の制止も聞かず、ポンッという音とともに、警部たちの目の前から姿を消した


「くそぉ〜。KIDはまだそう遠くへは行っていないはずだ!捜せぇ!!」


警部の指示の下、突然姿を消したオレを慌てて捜す警官たち
だが、オレがいる方とは全く見当違いの所へ向かう


「ケッケッケッ、警部たちもいい加減学習しろよな〜」


オレは真上にいるのにな
しかし、警部たちは一向に気付く様子もなく、あっちへ行ったりそっちへ行ったりと、てんてこ舞いだ
オレはその様子を見て、ただ笑っていた




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