*想ヒ出ノ箱*
□*製作中*
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「おはよう、千早。」
事務所に入るといつも聞こえる優しい声は、私の耳には届かなかった。
今日は他の子の仕事に出向いているのだろう。
***
765プロ全体が多忙になり始めたこの時期。
事務所で誰か他のアイドルに会うことは少ない。
しかし、事務員である音無 小鳥さんだけは毎日いる。
机に座って仕事をしていた音無さんは、私を見つけるなり
「あっ、おはようございます千早さん!」
「…おはようございます」
いつもの明るい声で挨拶をしてくれた。
静かな空間に声がいつもより大きく響く。