頂き物
□ある兄弟のある日常
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その兄弟は、早くに両親を亡くし、親戚からも見放された。 その時、兄の方は15歳。弟の方にいたってはまだ3歳だった。 大人の力が必要だった時に親戚の人が見放したのは、嫌だったから。 いや、面倒くさかった…と言うのが本音だった。 親を亡くして、お互いしか頼れない状況になった兄弟…特に、兄の方は自分が弟の親代わりとなり、幼い弟を必死に育てた。 それから14年が経った今…。 の時少年だった兄は立派な青年になり、まだ幼児だった弟も高校生になった。 二人が住んでいる家のキッチンには茶髪のような金髪の髪で、顔もやや童顔で、どこか幼い感じが残る人物…弟のクレスが、朝食を作っていた。 その少し後、朝食が出来上がったらしく、クレスは兄を起こしに行った。 その兄こそ、クラースである。 銀髪で全体的に大人っぽくクールな彼。 兄弟なのに、何故か対称的な所が多いこの二人は、近所でも学校でも、美形兄弟として人気だった。 しかし、世間はこの兄弟の事実を全く知らなかった。 しっかりしているクラースが重度のブラコンという事に…。