頂き物
□下がらない熱
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気がつくと、クレスはベッドに横たわっていた。
「そっか・・・僕熱が出て・・・」
日はすっかり沈んで、部屋は真っ暗だった。
「目が覚めたか」
クラースが扉を開けて入ってきた。
廊下からの明かりで、クレスの顔が浮かんで見える。
気のせいか、ほっとしたような表情を浮かべていた。
「クラースさん、ありがとうございます」
再び冷水で冷やしたタオルを額に乗せると、クレスがお礼を云った。
「いやこのくらい・・・」
「ずっといてくれたんでしょう?
起きた時もタオルが冷たかったから」
「まあ愛する人のためだからな♪」
「恥ずかしいこと言わないでください////」
少し顔を赤くしながらも、クレスはクラースの気持ちが嬉しかった。
「水を飲め。水分補給もしないと」
「あ、はい」
クレスは起き上がって、クラースからコップを受け取る。
「でも一日で熱が下がって良かった・・・」
水を飲みながらクレスが云った。
「ああ・・・」
クラースもうなずく。
「人肌で体温は下げた方がいいと聞いて、
ずっと抱きしめてやっていたのが効いたみたいだな」
「・・・・・ぶっ!?」
飲んでいた水を、クレスは見事に吹き出した。
「冗談冗談♪」
「〜〜〜っ冗談じゃ済まない冗談ですよ!!////」
「クレス〜、顔が赤いぞ〜?
また熱出てきたんじゃないか?」
そう云って素早く自分の額をクレスの額に重ねるクラース。
「ちょっ!?クラースさん顔近っ!?////」
「ん〜少し熱が高いかな〜」
慌てるクレスをお構いなしに、クラースは医者のようにコメントする。
「じゃあ薬は・・・」
次の瞬間。
軽く唇を重ねた。