オリジナル
□月の恋人
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バー【moon】
そこには凄腕のバーテンダーがいる。26歳という若さでいくつもの賞を総なめにし、一流のホテルに勤めていた。
しかしこのバーテンダーは少し変わり者。その実力を持つにもかかわらず人の通りが少ない路地裏に、小さな店を開いた。
バーを開いて数日後のある日、買い物帰りのマスターがバーの前で倒れている青年を見つけた。
怪我の手当てをし、少し話したあと青年は礼を言って帰っていった。
その青年は、ここら一体を占めているNo1の族ガイアの総長だった。総長はmoonの雰囲気とマスターをいたく気に入り、バー【moon】はガイアの溜まり場となった。
そんな族にビビることもせず、逆に親しみを持って接してくれるマスターにガイアのメンバーも懐いている。
マスターに会いたいがために【moon】をガイアの拠点にしたことをマスターは知らない。
いつも優しく微笑、相談にも親身に聞いてくれる。大人の落ち着きと包容力を持つ。
ガイアの誰もを魅了するマスター。しかし誰の手に入ることはなかった。
いつものようにmoonにガイアが集まっていると、静かに扉が開いた。
そこには190を越す野生味のある男が立っていた。