ガンダム00部屋3。

□ふたりの世界。
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ロックオンが展望室へ行くと、先客がいた。刹那・F・セイエイだ。
「よっ、刹那」
「…ロックオンか」
「隣、いいか?」
刹那は壁際に座っていたのだ。
「…ああ」
刹那は言葉少なにうべなった。
ロックオンは刹那の隣に座った。
だが…。
(…き、気まずい)
だんまりに耐えられなくなったロックオンは何か言おうとした。
すると、
「ここは、いいな」
刹那がそう呟いた。
「宇宙に抱かれている感じがする」
へぇ、刹那でもそう感じるんだ。ロックオンは思った。
「気障なこと言うんだな」
「悪いか」
「いやいや」
ロックオンが咳き込んだ。
「ちょっと意外な気がしてな」
「ふん…」
刹那は鼻を鳴らすと、真正面に瞳を見据えた。
あれ…気を悪くしたか?
「悪い意味じゃないんだが」
「そうか…」
刹那は機嫌を損ねたわけではなさそうだが、そのまま黙ってしまった。話の接ぎ穂がない。
(ここは年上の俺が何とかしないとな)
そういう考えに至ったロックオンは、刹那に言った。
「宇宙だけでなく…俺もお前を抱いていいか?」「…調子に乗るな」
刹那は形の良い眉を顰めた。
「…と、わりぃ」
ロックオンは慌てた。刹那はそっぽを向いた。だが、立ち上がろうとはしない。
(まぁ、いいか。このままでも)
お互いのぬくもりが触れ合った箇所から伝わってくる。
(これぐらいは…いいよな)
ロックオンは刹那の肩を抱き寄せた。刹那は身じろぎすらしない。
(こんなに固くなっちまって)
本当に人慣れない猫だな、とロックオンは思った。
でも、振り払われないだけ僥倖と言うべきか。或いは役得か。
こいつは誇り高い、高貴な猫だ。きっとただ者ではないに違いない。
(守ってやらなければ。こいつはまだ子供なんだから)
ロックオンは肩を抱く手に力を入れた。

宇宙の闇や星達が、そんな二人を包んでいた。

「ここで僕達が姿を現したら…やはり野暮だろうか…」
ロックオンと刹那の死角になっている場所で、ティエリアは眼鏡の弦を直した。
「そうだね。今はそっとしておこうよ」
アレルヤが穏やかに答える。
「しかし、せっかく来たのに…」
「まあ、優先権はあっちにあるよ。それに、デートならどこでもできるじゃないか」
「アレルヤ…」
「ティエリア…」
そして、ここにも二人の世界を作っているカップルが二人…。お互いに手に手を取って見つめ合っていた。

それも知らぬげに、宇宙は静寂を保っている。まるで何事もないかのように。

H23.04.28

後書き
Tomokoさんのニル刹アレティエ話です。マイスターズみんな可愛い!
00世界は愛で回ってますね!
Tomokoさんいつもありがとうございます!

Tomokoさんの後書き
ロク刹最高!アレティエも好きです



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