ガンダム00部屋4。

□フォーメーションLOVE。
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「ほう…」
ティエリアは感心したように顎に手を遣った。
ロックオン・ストラトスと刹那・F・セイエイのフォーメーションのシンクロ率が上がってきている。シミュレーションでもそれがよくわかる。
(乗り越えた、ということか)
ティエリアは、自分は口うるさい小姑でしかなかったかと思う。しかし、
(僕の言ったことも、満更無駄ではなかったろう)
それだけは、自信を持って言える。
障壁が高いほど愛は燃え上がる。
自分がその壁になったのだと、ロックオンと刹那を見ながら、ティエリアはこっそり得意になる。
それにしても、刹那の成長ぶりは目覚ましい。
(何かあったのかな、彼と)
彼…ロックオン・ストラトスと。
(まあいいさ。彼らが足を引っ張らないでくれれば、その分僕も戦いやすくなる)
どうしてヴェーダが彼らを選んだか、わかった気がした。二人の連携は見事で凄まじい。見ているこちらも手に汗握る。
(そうだ、その形は新しいやり方だな)
相手を信頼しているからこそできる陣形。一瞬引き込まれてしまう。
羨ましい…だが、プライドの高いティエリアは、その感情を認めず押し殺してしまった。
夢中になっている途中で…ミッション終了の合図が鳴った。

「ご苦労だったな。楽しませてもらったよ」
ティエリアはロックオンと刹那に言った。拍手をしながら。
「見事だった」
そう言ったティエリアに、ロックオンはピースサインをこめかみに当てて離した。
刹那は黙ってプロテイン入りの牛乳を飲んでいる。観葉植物の隣の自動販売機から手に入れたものだ。
刹那が…戦いを楽しんだみたいだ。今は、無愛想な子供に逆戻りしたが。
けれど、何かあったのは確かだろう。
「何かききたそうだな」
と、ロックオン。
「別に…」
う言ってから、ティエリアはしまった、と思った。これはロックオンの牽制だ。
「一筋縄では行かない人ですね、貴方は」
「お前さんほどじゃないさ」ロックオンは笑ってこつんとティエリアの頭を小突いた。
(子供扱いして…)
ティエリアは少し面白くなかった。
まあいい。後でヴェーダで検索してやる。
「ティエリア。僕達の出番だよ」
「すぐ行く」
マイスター達は、実践さながらにパイロットスーツを着込んでいる。ティエリアも例外ではない。ティエリアを呼びに来たアレルヤもだ。
アレルヤとのシミュレーションは好きだ。寸分の狂いもなく、こちらに合わせてくれる。
こんなパートナー滅多にいはしない。しかも、ティエリアの心すら読み取っているように感じることがある。
隣の芝生は青い。ティエリアは、アレルヤのことも忘れて、ロックオンと刹那を羨ましいと思ったのだ。一瞬のことではあったが。ティエリアも今度は素直にそれを認めた。
自分にもこんなに大切にしてくれていた人がいるの
から。
ティエリアの心が柔らかくなった。
廊下で通り過ぎ様、相手に声をかける。
「行こう!アレルヤ」
二人のシミュレーションが始まる。

H23.08.12(夏コミ一日目)

後書き
Tomokoさんのアレティエニル刹が仲良しなお話(かつガンダムっぽい?)です。
フォーメーションが決まるのは、スメラギさんの腕ばかりではないですよね
Tomokoさんいつもありがとうございます!

Tomokoさんのあとがき
誤字脱字があるかもしれません。チェックはしましたが。
アレティエみたいになってしまいました。ティエリアの二人称は難しいですね。



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