ガンダムOO部屋

□愛でなく、愛なら。
1ページ/1ページ

「あ……」
隣に寝ているロックオンに、先程までの行為は夢でなかったことを思い知らされる。
ロックオンの寝顔を見ていると、刹那の顔がほんの僅か上気した。
あんなハードな運動するから……。
刹那は、気を失うように眠りに陥っていたのだった。これでロックオンだけがぴんぴんしていたら、刹那は思わず蹴りを入れたくなるところであったろう。
「刹那は、気位の高い子猫みたいだな」いつか、ロックオンがそう評した。
「どうせ野良猫だろう?」
「野良は野良でも、本当は血統のいい野良さ」
ロックオンは、包み込むような優しい目をしていた。
刹那はごそごそと毛布に入り、ロックオンの体に擦りよる。相手が熟睡しているのを確かめたからできることだ。
ガンダムマイスターとして、少しは他の人間とも、気心が知れてきた。それでもまだ、自分は無愛想であるらしかった。
ガンダム……全てはあれから始まった。
戦うことしか知らない自分が、ソレスタルビーイングに入り、憧れのガンダムパイロットになった。そして、ロックオンとの出会い。
苦労して苦労して見つけた、安住の地。
(これが、安心と言うことなんだな)
ロックオンにも、ある警戒心があるのは認める。けれど、だんだんにそれが薄れてきた。
ロックオン……。
愛しているとは言わない。これは愛ではないのだから。
寂しい者達の擬似恋愛。虚しい愛撫。しかし、それが気持ちいいのはどうしてだろう。
刹那ほど自分の感情を律することができなければ、きっと泣いていたところであろう。
今は取り敢えず眠ろう。今夜の続きである、朝の為に。
俺は……不幸じゃない。 刹那は、静かに目を閉じる。そうすると、年相応のあどけない寝顔になった。

H21.06.20
タイトルを勝手に付けさせていただきました。
愛でないような、愛のような二人が切ないです!




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ