宝箱

□温かいプレゼント
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う〜〜ん……
サンジは寝苦しさを感じていた。もう少し寝ていたかったので意地で目を閉じていたが、さすがに苦しくなり目を開けた。


するとそこにはくるんとした黒い瞳、2つ。―――近い。


「ルフィ…」


ちけぇよ、と言うとルフィはにししと笑いながら顔を離した。どうやら寝苦しかったのはルフィが上に乗っていたからだようだ。


「何してんだよ」


ルフィはサンジに乗ったままだ。


「ししし!サンジぃ誕生日おめでとう!」

ちゅっと可愛らしいキスをしてサンジに言ってのけた。サンジは一瞬ポカンとしたがすぐに優しく微笑み、サンキュと返した。


「なあなあ、プレゼント何がいい?今日上陸するだろ?」


サンジの胸に腕を置き手のひらの上に顔を乗せ頭をクテンと傾け可愛らしく聞いてくる。


(おいおい、朝っぱらから誘うような事するなよ…)


「なぁサンジ、聴いてんのか?」


「…あぁ、プレゼントだろ?何も要らないさ。お前が居れば。…まぁ強いて言うなら今日ずっとそばに居てくれ」


「そんなことでいいのか?いいぞ!今日ずっとサンジと居る♪」


ぎゅっとサンジに抱きつくルフィ。サンジもその頭を撫で、抱き返した。

その後は2人仲良くキッチンへと向かった。


◇◇◇◇◇



「サンジ〜洗濯挟みは〜?」


昼下がり、船番を買って出た2人は仲良く洗濯物を干していた。せっかくの誕生日なのにサンジに家事をさせてしまうのは気が引けると言ったクルーだがサンジの願いだと言う事で了解した。


洗濯物を干し終えると暫し休憩。2人並んで芝生甲板に寝転ぶ。


「い〜天気だな〜!サンジ!晴れて良かったな!」



そう言いながらサンジの腕へ転がり腕枕。


「そうだな」


サンジも頭に手を寄せ髪を梳く。ルフィは気持ちよさそうに目を瞑りサンジもまたそれに続く。


穏やかで優しくて愛しい時間がゆっくりと流れる。


愛しい人と2人っきり。サンジはそんな時間をとても幸せに思う。大切な大切な時間。


それから2人はおやつを食べ、クルーが帰ってくると盛大にサンジの生誕を祝った。テーブルの上にはそれぞれの好物。2人っきりの時間を作ってくれた感謝の気持ちを込めてだ。



そして仲間達から様々なプレゼントを貰い、恋人からは夜のプレゼントを戴いた。


「サンジ、誕生日おめでとう」


「ありがとう、ルフィ…」



熱い体を抱き締め深くキスしながらサンジの誕生日は幕を閉じた。



温かな仲間達、恋人からのプレゼントは一生忘れないと胸に刻んだ。




END

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