短編4

□第十一段
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「だーかーらっ、いっつもいっつも他所様に迷惑かけるなっていっつも言ってるでしょっ!!」


ドカッ ドシッ バコッ


冬木市の外れ、唯一の協会の中の礼拝場内で少女の怒鳴り声と何かが殴られたような音が響く。
ピシピシピシッと、礼拝場が空気が怒鳴り声と音で振動し、小さく余震を残し揺れる協会と舞う砂埃に「またか」と呆れながらもこの後起こるであろうとある者の不幸に、協会の言峰協会の神父である言峰綺礼は小さく笑みを浮かべる


「逃げるな、この金ピカ!!!」


ドーンッ


そして今度は更に大きな怒鳴り声と地震のような振動を起こしながら爆発音が響いた。



 ・・・< とある協会の日常風景 >・・・



「おー、またやってるな」

「あ、ランサー」


爆発音がしたにも関わらず、内装にキズはなく砂埃が少し舞い煙がプスプスと出ている礼拝場へとランサーが足を踏み入れると満面の笑みを浮かべた白と黒の修道女。その少女が箒と塵取を持ち、礼拝堂内を掃除している。
少女の笑顔に釣られて笑みを浮かべながら、ランサーはどこからか聞こえる呻き声へと顔を向ければ


「・・・・相変わらず、学習能力ねーのかお前は」

「黙れ駄犬。我を見下ろすでない、むしろこの鎖を解けいますぐに」


溜め息を吐いたランサーの視線の先には、鎖に巻かれて身動きが取れない無様な黄金の英雄王の姿が。
毎回毎回、一方的にしばかれているというのに何でコイツは学習しねぇんだ、と呆れる目でランサーはギルガメッシュを見つめる。


「って言ってるけど、どうするよ?」

「駄目〜」


顔を向けることなく、塵取に集まった埃をゴミ袋に入れながら少女は答える。そして、何を思ったのか手に持つゴミ袋を見、そしてギルガメッシュを見、と交互に繰り返し、ポンッとさも何かを思いついたかのように手を叩きながらギルガメッシュをジーっと見つめる


「ねぇ、ランサー」

「あ?」

「あれ(ギル)って粗大ゴミに出せるかなぁ?」


と、真顔で言い、暴れはじめるギルガメッシュを他所に「えーっと、縛る用の紐って何処だっけなぁ・・・あ、天の鎖でいっかな?」と本格的に考え始め、妙に本気でやる気になっている少女をよそにランサーは口に手を当て壁に向かいながら震えている。



「おい!!何を笑っている、さっさと助けんか駄犬!!」

「ランサー、助けちゃ駄目だよ〜。鉄線もいいなぁ、あ、コレもいいかもしれない」

「くくっ、まぁ頑張れ金ぴか」







 後書き
この後神父は機嫌がいいのか「ふふふっ」と不気味な笑いを浮かべながらマーボーを食べにいきます、って感じだと思う。
夢主は神父の義娘、好きなことはギルを虐める事。
笑いながらギルを苛める夢主を見るたびにランサーは(あ、やっぱりコイツあの野郎(言峰)の娘だ・・・)と思ってます
執筆時期 H21,07/28
修正時期 H23,08/28
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