短編4

□第十四段
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朝。鳴り響く目覚ましの音に眉を寄せて目を擦りながらも起き上がり手探りで目覚ましを止める。まだ半分寝ている状態でうっすらと目を開いて時間を確認する。


(・・・・まだ、6時)


ボトッと、起き上がっていた体を倒して、再び布団にうつ伏せに倒れる。
あと10分・・・・なんて、考えながらゆっくりゆっくりと夢の世界へ・・・・


ガタッ


(・・・ん?何か落ちた・・・・?まぁいっか)


ガタッ

ガタガタッ


起きろとでも言うように何処からか聞こえる音に再び眉を寄せて目を擦りながら起きあがる。一体どこから音がするのだろうか、うっすらと目を開きながら辺りを見渡して


ガタッ


クローゼットが視界に入り、動かしていた首が止まる。


ガタガタッ ガタッ


「・・・・・ぇ?」


クローゼットの中の何かが動いている音。
別に私はクローゼットの中に犬や猫を飼っているわけではない、クローゼットの中限定で地震が起きているわけでもない。
いつの間にか目は覚めてしまい、私は布団から出るとクローゼットの前まで近づき、耳を澄ませる。


ガタガタッ


「っ・・・・・?」


中にネズミでもいるのだろうか?それとも幽霊とか?実はおもちゃが中で遊んでいたり・・・・・なんて考えながら、おそるおそるクローゼットを開ける取って手をかける。
息を吸って、吐いて、深呼吸。そして勢いよくクローゼットを開き!


「こんにちわー、良妻狐のデリバリーでござ」


バタンッ


勢いよくクローゼットを閉じた。

なんだ今のは、なんだ今のは。え、人、人がいたような。なんか喋ってたけど、気のせいだよね、気のせいだよね!!
中から叩く音や振動や、あと何か人の声っぽいのも聞こえるけど無視する無視します無視したい。


「いやいや、いくら眠いからって寝不足だからってこんなリアルな夢を見るのは流石に危ないよねー。あはははは・・・・・痛い。」


ヒリヒリと痛む頬。夢だと確かめたいなら頬を抓れ、なんていうけれど。抓って痛いってことは現実?勘弁してくれ。


「てか何さ、クローゼットの中に狐耳の巫女服っぽいの着た人(?)がいましたとかホラー?メルヘン?何ジャンルの夢?意味分からん!!早く夢を覚めてくれ!!」


混乱する頭を抑えて叫ぶと、クローゼットが静かになっていることに気付く。耳を澄ませてもクローゼットは静かで・・・・・あぁ、あれはきっと白昼夢だったのだ。
ほっと息を吐いて、完全に目覚めてしまっため二度寝する気にもなれず着替えようかと例のクローゼットを開く。


「あ、ご主人様ひどいですよー急にしめるなんてー」


頬を抓ると頬はヒリヒリと痛む。
痛む頬と目の前のクローゼットの中で鎮座している狐耳の女の子に、頭の思考回路がショートした。



 ・・・< クローゼットからこんちにわ >・・・



「どうしたんですかご主人様、急に固まってしまって。まさか、私の可愛さにやられてしまいましたか?もぅ、ご主人様ったら」

「・・・・・誰?」




 後書き
元は逆トリにしようと思っていたが相手が見つからずに眠っていたもの。
キャス狐ルートクリア記念に。キャス狐可愛いよ、キャス狐。
執筆時期 H22,08/28
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