短編4
□第二弾(全7種)
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昨日はいつもに増して忙しかった。姉は新都での合コンで遅くなるし万年円満な我が夫婦は仲良く旅行中。そのため、残った家族の中で唯一まともな飯を作れる私が夕御飯を作るハメになってしまったのだ。
商店街のセールの時間は5時。だが、帰り際委員会のことで先生に声をかけられさぁ帰ろうと腕時計を見ると気づいた時には5時半。
「あ〜何でこういうときに限ってこうなるのかなぁ〜・・・・!!」
と、嘆いても時間が戻るわけでも止まるわけでもないので急いで坂を下る。
いつもは危ないという理由のため歩いているこの坂も距離的にも時間的にも歩いて間に合うようには思えず我がクラスの黒豹直伝(感覚で教えられた。こうばしーっと)のスタートダッシュでかけるも、まぁ見よう見まねではそう上手くいくはずも無く
「とりゃぁぁぁぁぁってっ・・・キャッ」
「・・・・・ってあれ?」
倒れたはずの身体に痛みは無く、誰かに抱えられている感じに目を開く。
「やれやれ、大丈夫か?」
出会ったのは の人。
「えっ、あっ、だ、大丈夫です」
「これからはもう少し気を付けたまえ。」
「あっ、はい。あの、ありがとうございました。」
その人に向かって頭を下げると途端に頭にかかる軽い重さ。
「なに、礼には及ばん。私の知り合いのじゃじゃ馬娘よりはマシだからね」
私の頭に置いた手を宙に戻し、そうして赤い人は坂を下って消えてった・・・・・・・・・・
・・・< 思い出すたびに憧れる >・・・
「ふーん、それでなに?惚れちゃったってわけかしら?」
昨日の一部始終を聞き、つまらなそうにまた楽しそうに不敵な笑みをこぼすのは我が親友遠坂凛。文武両道で学校の中でもアイドルとなり、彼女に憧れる男子生徒は数知れず。
「うーん、ソレはナイナイ。何か違うのよ、なんていうか背中で語る男。って感じで」
「あっそ、それで名前とかは聞いたの?」
なんか、流された感じがするぞ親友よ。おい。
「・・・・・・・・・・いんや、でも。」
「でも?」
「ちょっと誰かに似てたかも。」
「誰かって誰よ。」
「いや、見た目は全然違うんだけどさ。中身って言うの、本質。根本っていうのがそっくりだったんだ。・・・・・・・あの、衛宮くんにさ。」
「衛宮くんにねぇ・・・・・・・・・って、赤い人?背中で語る男?衛宮くんにそっくり?」
衛宮という言葉に何かを思い出すようになにかブツブツと独り言を言い始め、急に思い出したように後ろを振り向く我が親友。その背中にはなんか黒いオーラが・・・
「ねぇ、その人の特徴とか覚えているかしら?」
「・・・・・・・・・まぁ、えっと褐色の白髪の人だったよ。日本語ペラペラだったけどやっぱり外国人かなぁ〜って・・・・・・・・凛どうしたの?」
私の言葉ひとつひとつに徐々にしわを増やしていく我が親友。
「・・・・・・・いえ、なんでもないわ。悪いけど今日はもう帰るわっ」
「へっ?いや、それはいいけどって凛!?何処行くのさ、りーん!!」
猛スピードで走る我が親友凛の背中を見ながら最後に聞こえた親友の声は「アーチャー、どういうことよっ!!」誰と交信してるんですか凛さん。
後書き
アーチャーと一般人な夢主さん。
でも凛とは仲良し。少なくとも猫被ってるのは知ってますよ。
それでも仲良いのさ。アーチャー言葉難しいねぇ。
修正時期 H20,04/30
修正時期 H23,08/28