短編4

□第七弾
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「なぁ、初陣にしては中々良い月夜だと思わないか?バーサーカー」


暗闇に点と残す光を仰げば、まるで幻想世界を写したように空には綺麗な円を描いた月が覗く。
その月を見上げながら、私の横に立つ鉛色の狂人へ言葉をかけるも、狂人からの返事はなく、微かに彼の喉奥から唸り声のようなものが聞こえた。


「おや、やっぱりイリヤじゃないと駄目なのかな?まぁ今回だけは勘弁してくれ。」


士郎や凛達ではきっと気付かない、きっとイリヤと私にしか気付かない、バーサーカーの微かな見えない表情の変化。

その表情に苦笑を浮かべながら「我慢してくれ」とバーサーカーの鉛色の肌をなぞる


「作戦はもう考えてある、君が暴れて私は君の援護射撃。まぁ君に援護は必要ないだろうけど、それがイリヤとの約束だからしょうがないね。それに、私が手伝えばその分早く終わる、つまりその分早く帰れる。だから、さっさとこいつ等を始末して君と私のお姫様の下に帰ろう。」


バーサーカーの腕に掴まりそのまま肩へと飛び乗る、これがいつもイリヤが見ている景色か、うん良い眺めだ。照らされる月も届かないはずなのにとても近くに感じて、その感覚が妙に心地よい。
バーサーカーの肩にゆっくりと腰掛け、そのままの状態でバーサーカーの頭を二、三度撫でる。


「さぁ、行こうかバーサーカ。君と私の最初で最後の初陣だ、精一杯暴れてやろう。」

「■■■■■■■――――ッ!!!」


高らかに叫べばソレに答えるようにバーサーカーは高らかに吼えあげた。



 ・・・< ふるえるのは心か大地か >・・・



さぁ、一度きりの祭りをはじめようじゃないか。
腕に刻まれた魔術刻印がひかり、手にあつまる無限の光が地面を穿った。





 後書き
そーいえば、夢にバーサーカーを出したのははじめてだなぁ。
状況等はご想像にお任せしますが、夢主は女の子です。
執筆時期 H21,08/27
修正時期 H23,08/28
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