短編6

□******
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「おはよう****。」

「おはようございます衛宮くん。」


礼儀正しく頭を下げて柔らかく笑う****。黒紫の髪が小さく揺れる。
新聞部に所属しており、前に書いた記事を見たいと頼んだところ恥ずかしそうに褐色の頬を赤くしながらも新聞を差し出して大きく載っている記事をはにかみながらも指差して教えてくれた姿は今でも覚えている。


「衛宮士郎。あの女、*****といったな。」

「お隣さんだよ、昔からよくしてもらっている。それがどうかしたのか?」

「隣に、だと?」


小さい頃から、と言ってもいつからだったか正確には覚えてはいないが、確かじいさんが亡くなって2,3ヶ月経った頃に隣の老夫婦が孫だと言ってくれた気がする。
後から聞いた話だと俺と同じあの大災害の生き残りでショックで記憶を失っており入院していたらしい。同い年のため、家族ぐるみの交流をさせてもらい、4年前に老夫婦が亡くなってからはお互いに惣菜などをおすそ分けすることもしばしばだ。


「…っ、セイバーなにを!?」

「下がってくださいシロウ。******といいましたね。この気配は人間、いえサーヴァントのものか……貴方は一体何者ですか」


自分に向けられているセイバーの剣先も、眉間を狙うアーチャーの矢も、怯えることなく******は微笑んでいた。
小さく呟いた彼女の言葉に聞き返す暇なく、ただ一瞬黒い影が見えたと思った瞬間******の姿はいなくなっていて、何故だか消える寸前微笑んでいた彼女の瞳は今にも泣きそうだった気がした。



 ・・・< ****** >・・・



「こんな夜更けに礼拝者がきたと思ったが、これは懐かしい顔が現れたものだな。」

「お久しぶりです、綺礼殿、」


地に膝を付き、深々と頭を下げる******。
彼女は普段の白いワンピースとは正反対の機能性を重視した身体にフィットしたタイプの黒い服を着ており、長い黒紫の髪は三つ網に結ばれている。
そして、何より彼女の左手にあるもの。ところどころにキズを作り薄汚れ補正した後はあるものの、静かに存在感を放ち静かに闇に溶け込んでいる、彼女の顔を隠すほどの大きさの白い面。


「我らの元マスター殿。」

「アサシン。」




 後書き
ロリアサシンから思いついたもの。
とりあえずネタ兼メモで書くだけ書いてみたよ、シリーズ。
執筆時期 H27,02/06

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