dream 4

□叫びたくなるほど
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出会ったのは一年以上前のまだ肌寒いとき。


話したのは一瞬。


でも永遠に時が止まってしまったかのような錯覚に陥った。







その人はいきなり話しかけた私にも、優しく対応してくれた。最終的には微笑みながら「頑張れよ」と一言。

それからあの人が頭から離れなかった。なんでなんて、そんなこと考えることもなくわかってしまった。


私は、好きになってしまったんだ、あの人を。


銀髪に翡翠色の瞳。氷のような印象を持たせる風貌をしているけど、とっても優しい人。隊長羽織を翻して去って行った後ろ姿を、見えなくなるまで見ていた、というのは内緒だ。



あの時霊術院卒業間近だった私は、あの人に近づけるように、入隊後必死に鍛錬した。一年で三席にまでなった。そんな私を自体の隊長である朽木隊長は褒めて下さった。

私があの人――――日番谷隊長の元で働きたい、というのを知っていた隊長は、快く私を送り出してくれた。





***





十番隊舎、執務室、前。


息を吸ってー吐いてー。よし、大丈夫。


この扉を開ければ、私は十番隊三席。日番谷隊長の、部下。




「失礼します」




入って一番最初、お煎餅食べながらソファーにいる、松本副隊長と目が合った。

慌てて会釈してから真っ直ぐ前を向く。


私を見つめる翡翠色の瞳が、あった。




「今日から十番隊三席に…」

「あなたが噂の新しい三席?!あたし会うの楽しみにしてたのよー!」

「えっ、あ、ありがとうございます」




いきなり立ち上がって大声で言う副隊長に、名前を遮られた。けど、まぁ、いっか。歓迎してくれるなんて、この上ない幸せ。




「よろしくな」

「…はいっ!」




久しぶりに聞いた声につい、顔が綻ぶ。

やっと、やっとこの時が、来たんだ。喜びで叫んでしまいそう。感動で涙が出てしまいそう。




「それと、」




続いて話しかけられ、一言一句聞き逃さないように、と意識を集中させる。





「よく頑張ったな」





その言葉に思わず目を見開いてしまった。喉まで出かけた言葉を言わないように、息を飲んだ。





叫びたくなるほど

好きなんですけど
どうしたらいいですか?






*終わり*



そんな二人をにやつきながら見てる乱菊。



――――――


名前変換ないけど、
こっそりひまわり様に捧げます。

相互ありがとう!




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