Dream 1
□惚れる
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その瞬間は突然訪れた。
fall in love
よくナナセにも言われるけど、私は本当に恋というものに興味がなくて、男のことを、異性というよりかは、友達としかみなくて。それ以上でもそれ以下でもない存在に過ぎなかった。
けど、そんなこと関係なかった。
恋というのは、するものではなく、落ちるもの。誰かがそう言っていたのをふと思い出した。たしかに、そうかもしれない。そう考えるのも無理ない。だって私は、しようと思って、恋に落ちたわけではなかったのだから。
「お前、なんかボーっとしてね?」
「え…、あ、べつに、」
「そうか?」
そう。
恋なんて、
突然やってくるものなんだ。
目の前にいるアルトくんを見ていると、つくづくそう思う。だって私は、ほんの一週間ぐらい前に、アルトくんが好きだと気付いたばかりだから。
きっかけなんて、特になかった。だけどひとつだけ思うのは、きっと私、出会った時から、どこかアルトくんに惹かれてたんだってこと。
「やっぱお前、なんか変だぞ?」
「そう、かもね…」
恋なんて、久しくしてなかったから。
この感情に、すべてが支配されて、アルトくんのことしか考えられなくなって、もうバカみたい。
けど、楽しい。
誰かを想えることが幸せ。
この恋、大事にする。
そしてこれが、私の
最初で最後の恋のはじまりだった。
to be continued