Dream 1

□叶える
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制御が不能になってしまった恋心は、

不意に私の口をついて

出てしまったのだった。





A wish comes true






お互いに立ちつくしたままだった。


もう生徒もまばらになった教室内。めずらしく教室に残っていたアルトくんとの会話は弾んで。

いつもとなにも変わっていなかった。私たちが一緒にいることも、話していることも、教室の雰囲気も、そして私の中の気持ちも、全部全部。強いて言うならば、いつものメンバーが誰一人としていないということだけ。そんな状況で、私は、話の流れで想いを伝えてしまったのだった。



「お、まえ…」

「そ、そろそろ帰ろっか!」



驚いているアルトくんが、外からの光をうけて徐々にオレンジ色に染まっていくのを見て我に返って、カバンを引っ掴んで慌てて声をかけた、けど、裏返っちゃて全然恰好がつかない。

依然として固まったままのアルトくん。言わなきゃよかった、そう思わずにはいわれなかった。こんなことになるなら、自分の中で押し殺すべきだったんだ。



「ご、めんね…変なコト、言って、」

「あっ、いや…全然変じゃないっつーか…その、」



やっと反応を示した彼の顔が、夕日に照らされていてもわかるほどに、赤く染まっていく。落ち着かないようで髪を触って、下を向いて。

なんか、女の子みたいだね。

そんな姿に思わず笑ってしまった。


それから、ちょっと気まずそうに視線を少し逸らしたアルトくんは、照れ隠しなのか私の頭に手を置いて無造作に撫でて。よくミシェルに姫と呼ばれているけど、手は立派に男の人のだな、なんて考えて、恥ずかしくなった。



「俺もお前のこと、好き、だ」



こうなることを、
強く望んでいたわけじゃない。

でも、不意に訪れたこの瞬間を、
忘れないようにと胸に刻んだのだった。



to be continued





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