東方望月譚
□第四夜
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「追符『ホーミング・レイ』」
拡散したレーザーが美鈴に向かって伸びる。
「照準が甘いですよ……まだまだですね。」
美鈴はそれをを避けると一気距離を詰めてきた。
少し前───
「スペルも覚えてきたわね。弾幕に比べればだいぶ早いペースね。」
「と言ってもまだ2枚しかありませんけどね。」
「にしても何でそんなスペルを選らんだの?」
何でって……そりゃあ
「相手を罠にハメるのって楽しいじゃないですか。」
「十華、あなたって見掛けによらず黒いのね。お願いだから永遠亭の嘘つき兎とは仲良くならないでね。」
黒いとは失礼な……私はただ相手が自分の手の上で踊ってくれるのが楽しいだけなのに……
「少し実戦練習でもしましょうか……」
「パチュリー様、咲夜さんが用があるって言ってましたけど何ですか?」
扉を開けて美鈴が入ってきた。
「ナイスタイミングよ美鈴」
「……へ?」
訳がわからない様子の美鈴
「十華のスペルカードを試すから実験台になりなさい。」
酷い仕事だ。美鈴さんごめんなさい。
「え〜、ちょっと……」
美鈴は嫌そうにしている。それはそうだろう、いきなりスペルの実験台になれって言われても……
「特別報酬を出すわ。」
「やります!」
切り替え早ッ!?
「ルールは弾幕勝負、1発でも当てれば勝ちでいきましょう。」
「え〜と、私は本気でいいんですか?」
美鈴が尋ねる。
「じゃないと意味が無いでしょう……コレは十華の戦闘能力を測る意味合いも兼ねてるんだから。」
そうだったのか……初耳なんだけど……
「わかりました。やりましょう。」